1930(昭和5)年ごろの沖縄の様子を撮影した映像フィルムが、このほど見つかった。戦前の古いフィルムや映写機を収集している新潟県の山田礼雄さん(47)が、東京帝国大学(現東京大)薬学部関連のフィルム群を入手。その中の一つで、映像をデジタル化して確認した。山田さんは「映像は沖縄の歴史の一部で、多くの県民に見てもらいたい」と話している。

当時の那覇市若狭付近の沿岸部。海岸には人影が見える(山田礼雄さん提供)

荷物を担いだ人が通る木橋(山田礼雄さん提供)

撮影者の研究者仲間と思われる人たちが歩く後ろ姿(山田礼雄さん提供)

写真やショート動画が収められた山田礼雄さんのブログのQRコード

当時の那覇市若狭付近の沿岸部。海岸には人影が見える(山田礼雄さん提供) 荷物を担いだ人が通る木橋(山田礼雄さん提供) 撮影者の研究者仲間と思われる人たちが歩く後ろ姿(山田礼雄さん提供) 写真やショート動画が収められた山田礼雄さんのブログのQRコード

 動画は約2分40秒。日本では戦前のみ市販されていた9・5ミリフィルムで記録されている。東京帝大の朝比奈泰彦教授(薬学者)らが沖縄を訪れた際、同行者が個人撮影したものと思われるという。

 動画には沖縄気象台の鉄塔、那覇市若狭付近の沿岸部、辻原墓地の亀甲墓、人や車が通っている木橋が確認できるほか、農村部の暮らし、畑仕事をしている住民、自生の植物、やんばると思われる山並み、農事試験場のような建物などが映っている。

 那覇市歴史博物館の外間政明学芸員は「映像の前半は那覇で、後半は本島中北部の農村部ではないか」と解説。「戦前の農村部の写真はあるが、動画はそう多くはなく、貴重で珍しい」と話した。このような資料がデータとして蓄積されれば「かつての沖縄の姿が浮かび上がり、比較検討できる」と期待を寄せた。

 動画には研究者の視点が反映されているとし「普通は自生している植物は撮らない。地方の植生も撮っていて面白い。今まで見たことがない」と指摘。「1930年ごろと、ある程度時期が特定できている。森林関係者や植物の専門家に見てもらいたい」と語った。

 山田さんは動画データを沖縄タイムスへ提供。「たまたま私が見つけただけ。映像は沖縄に返したい。いろんな人に見てもらい、研究や調査のデータとして使ってほしい」と有効活用を願った。

 一部写真などは山田さんのブログで閲覧可能。