「狙い撃ち」が透けて見え、どうも釈然としない。沖縄市で情報公開条例を改正しようとの動きがある。権利の「濫用」と認めた場合、請求を拒否できる条文を盛り込んだ改正案を市議会6月定例会に上程する見通しだ

▼市側は「一部市民による請求の増加が顕著で、濫用が疑われる請求により市の業務に支障を来す事例がある」と説明。改正により、濫用の抑止や未然防止による職員の時間外勤務を減らす効果を期待する

▼情報公開制度は行政運営が適切にされているかどうかを市民がチェックするための重要な仕組み。請求があれば、公開が原則だ

▼制度の普及に伴い、濫用を根拠とした拒否規定を設ける動きが全国で広がりつつあるという。NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「どれくらいが『大量』に当たるかなど沖縄市の判断基準案はあまりにあいまい。請求者の萎縮につながる恐れもある」と指摘する

▼市では近年、大型公共施設の建設を巡る議事録のずさんな管理や、決裁の記録時期に疑義が持たれる文書の取り扱いが情報公開によって明らかになっている

▼民主主義の根幹であり、憲法で保障された市民の「知る権利」の正当な行使を妨げてはいけない。市側による濫用規定の「濫用」をしばるための明確な基準が求められる。市議会での議論を注視したい。(石川亮太)