社説

社説[県議選 与党過半数]知事は成果示すときだ

2020年6月8日 07:10

 コロナ禍で前例のない形となった県議会議員選挙が投開票され、玉城デニー知事を支える県政与党が25議席を獲得し引き続き過半数を維持した。

 与党系は共産が7人全員当選を果たした半面、社民、社大などの現職の苦戦が目立つ結果となった。

 知事選の中間の年に実施される県議選は、知事に対する「中間評価」と位置付けられる。だが今回に限っては、与党が過半数を維持したことによって直ちに玉城知事の県政運営が評価されたと言い切ることはできない。

 新型コロナウイルス対策として県が求めていた活動自粛などが全面解除されたのは告示の8日前。「3密」を避ける選挙戦では、直接公約を訴える機会が減り、政策論争も盛り上がらなかった。

 懸念されていた投票率は46・96%で5割に届かず過去最低となった。有権者の間にも選挙どころではないという空気が強く、投票日当日の大雨も影響したとみられる。

 公明党は当初4人を立候補させる予定だったが、コロナを理由に2人の擁立を断念した。異例の対応である。

 さらに4選挙区では過去最多の12人が無投票当選となった。4分の1の議席が投票無しで決まるというのは、選挙によって民意を示す制度の趣旨からいえば異常である。

 県政与党が過半数を制したことで玉城知事は県議会の後ろ盾を得て中間点を折り返すことになる。とはいえ就任から約2年、目に見える形での成果はまだ示されていない。これからが正念場だ。

■    ■

 当選した48人がまず取り組まなければならないのは、コロナの影響でかつてない打撃を受けている県経済や住民生活の立て直しである。

 経済をけん引する観光関連産業はとりわけ厳しく、需要の低迷が長引く恐れがある。県内客を手始めに国内客の掘り起こしなど、与野党がその枠を超え連携し、切れ目のない対策を講じてもらいたい。

 今回の選挙で自民党県連は普天間飛行場の辺野古移設容認を打ち出し争点を明確にした。辺野古の新基地建設に反対する知事支持派が過半数を得たことは、民意の基調が変わっていないことを示すものである。

 新基地は当初計画から工期も工費も大きく膨らみ、「普天間の一日も早い危険性の除去」は実態の伴わない誇大広告になっている。

 危険性除去の見通しをどうつけるのか。県議会には状況を変える行動を求めたい。

■    ■

 当選した県議は任期中に復帰50年の節目を迎える。

 沖縄は基地の存在によって憲法、地方自治法に基づく自治権が大きな制約を受け、沖振法に基づく国の沖縄振興施策も政府による政治的コントロールの手段として使われるケースが目立っている。

 時代の移行期にあって、「ポスト復帰50年」をどう構想するか。次の10年の沖縄振興の在り方は沖縄の未来につながる最大の課題だ。

 県民の意見を反映させるためにも、次期振興計画の策定に県議会は積極的に関わるべきである。

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