大弦小弦

[大弦小弦]県議会の巨大な扉

2020年6月8日 07:30

 県議会正面の自動ドアは、あまり見かけない大きさだ。高さ3・7メートル。185センチの長身が縦に2人重なった分と言えば仰ぎ見る高さが伝わるだろうか

▼向かって右の守衛室脇には普通サイズの自動ドアがある。訪問者は受け付けが必要だからだいたいそちらを使う。遠慮からか、議会事務局の職員も同じ。本来誰が通ってもいい正面ドアは、何となく議員用になっている

▼議員には他府県と違って個室も割り当てられる。米軍占領下の議会、立法院時代の名残だという

▼琉球政府の行政主席は最後の屋良朝苗氏を除いて米軍が任命した。他方、立法院議員は一貫して選挙で選ばれた。米軍の一存で議決をひっくり返されるなど権限は不十分だったが、民意を体現した

▼県議選で当選したばかりの48人には、意思決定と行政監視の完全な権限が与えられる。今は支持者への感謝でいっぱいだと思う。しかし、議員を含む公務員が憲法で「全体の奉仕者」とされていることは忘れないでほしい。自分に投票しなかった人も含めて代表する責任、自分を応援してくれた政治家でも問題があれば指摘する責任がある

▼主権者には、大きな正面ドアを通って議員の個室を訪ねたり議会を傍聴したりすることを勧めたい。議員の地位も建物も4年の期限で貸しているだけ。オーナーは私たち一人一人だ。(阿部岳

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