あなたらしく、はたらく

真面目? 頭が固い?航空会社勤務の女性が「自分らしさ」の基準を変化させた理由とは

2020年6月8日 17:00

 企業で働く女性が、日々どんな思いで仕事に向き合っているのかー。沖縄タイムス・アカデミアの人気講師、吉戸三貴さんが4人の女性にお話を伺います。さまざまな業種、職種、年代の女性のインタビューを通して、読者のかたが明日から自分の仕事に役立つと感じられる“ちょっとしたヒント”をお届けします。

あなたらしく、はたらく(2)
日本トランスオーシャン航空株式会社 路線事業部 渡口優子さん

 島根県出身の渡口さんが、沖縄の航空会社JTAに就職したのは、学生時代に何度も通って好きになった沖縄で飛行機が果たす役割の大きさを実感したからでした。入社4年目の現在は、他社との提携を進める業務を担当しています。「提携にはいろいろな形があります。たとえば、ホノルルから関空経由で那覇に行く場合、普通は2つの便を別々に予約する必要がありますが、ハワイアン航空とJTAが共同運航していれば、同じサイトでホノルルから那覇まで手配することが可能です」。乗客の利便性を高める大切な仕事ですが、関係先との調整は複雑で、契約を1つまとめるのに数か月かかることもあるそうです。

 

 もともとは、研究者になるつもりで理系の大学院に進学した渡口さん。進路に大きな影響を与えたのは、高校時代の担任の先生でした。授業の面白さもさることながら、それ以上に刺激を受けたのが独特のファッション。「数学の先生なのに、なぜかいつも白衣なんです。工学系で実験が好きだったからだと思うんですが、我が道をいく感じがすごくいいなぁって。皆と同じじゃなくてもいいんだと自信を持つことができました」。この出会いがなければ、福岡で勉強することも、その後、沖縄で就職したり結婚したりすることもなかっただろうと言います。

 ずっと大切にしてきた自分らしさですが、最近、その基準が少し変わってきたのを感じています。きっかけは今の部署に配属されたことでした。「路線事業部は、関わる人や調整も多く、常に柔軟な対応が求められます。決められた範囲で業務をキッチリ進めるのが得意なので、最初の頃はストレスを感じることも多くて…」。とはいえ、会社員に人事異動はつきもの。心地よく働き続けるためにどうしたらいいのか考え、たどりついた答えが、自分のストライクゾーンを広げることでした。

 

 「仕事をしていると、私って融通がきかないなと思うことがよくあります」。真面目でまっすぐな性格を自分らしいと感じる一方で、これからは、多様な考え方や働き方を受け入れるしなやかさを身につけていきたいと考えています。「今の頭の固さが堅焼き煎餅だとしたら、まずは、ぬれ煎餅くらいのやわらかさを目指したいんです」。そう、楽しそうに話してくれました。

【はたらきかたヒント】メールよりは電話、電話よりは会って話す。初対面の人と仕事をする時は、とくに緊張するという渡口さん。だからこそ、相手の雰囲気がわかり、こまかいニュアンスも伝わりやすい対面のコミュニケーションを大切にしています。苦手なことも、こんなふうに対処法とセットにして考えると気持ちが軽くなりそうです。
*取材および撮影は2020年2月に対面で実施しました

吉戸 三貴(よしど みき)
株式会社スティル 代表取締役/PRプランナー
那覇市出身。慶応大卒。沖縄美ら海水族館広報、東京のPR会社を経て、「スティル」社設立。日本初の広報・情報学修士号を取得。企業や自治体、ブランドのPRコンサルティングや人材育成などを手がける。2019年から沖縄タイムス・アカデミア講師。働く女性に特化した「PR・ブランディング講座」を担当。著書に「内地の歩き方」(ボーダーインク)。東京在住。

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