大弦小弦

[大弦小弦]背中押す仕掛けを

2020年6月12日 05:00

 7日に投開票された県議選は、どこか人ごとだった。こう書くと、お叱りを受けそうだが、なぜそう思ったかと言えば、沖縄にいながら投票できなかったから

▼転勤で3月末に東京から沖縄へ戻った。ご存じのように公選法は原則、同一市町村に3カ月以上住まないと選挙権を得られない。今回はこの要件を満たせなかった

▼頭では理解できても、どうも釈然としない。なぜ住所要件が3カ月なのか。理由の一つは不正防止。特定の候補者の当選を狙う意図的な住所変更を防ぐためとされるが、3カ月より前に異動を企てれば防げない

▼移り住んだ地域の事情を知る期間が必要だから、という理由もある。アナログな昭和の時代ならいざ知らず、インターネットであらゆる情報が入手できる今、地理的距離は障壁にならない

▼総務省の「投票環境の向上方策等に関する研究会」は4年前、ICT(情報通信技術)を駆使し、利便性の改善を有権者が実感できるよう、政府に検討を促した。オンライン投票も含め、新たな制度設計を望みたい

▼県議選の投票率は初めて50%を割った。半数以上が棄権する選挙は、民主主義の土台を揺るがしかねない。「1票を無駄にしないで」の掛け声だけでは投票率は上がらない。有権者の背中を押す仕掛けこそ求められよう。投票率アップ、次こそ。(西江昭吾)

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