[もの言わぬ語り部たち 地域の戦争遺跡](1)

岩肌に残る砲弾の痕を示す伊平屋村教育委員会の嘉手納知子さん=2日、同村我喜屋

虎頭岩(中央)を海上から望む。沖縄戦時、米軍の艦砲射撃にさらされたとみられている=2日、伊平屋港

とらず(虎頭)岩の地図

岩肌に残る砲弾の痕を示す伊平屋村教育委員会の嘉手納知子さん=2日、同村我喜屋
虎頭岩(中央)を海上から望む。沖縄戦時、米軍の艦砲射撃にさらされたとみられている=2日、伊平屋港 とらず(虎頭)岩の地図

 伊平屋島の玄関口である前泊港や伊平屋村役場を見下ろす高台に、ひときわ目立つ巨岩「とらず(虎頭)岩」がある。虎が寝ているような形から名付けられた島のランドマークに昨年11月、沖縄戦当時の米艦船の艦砲射撃による弾痕とみられる穴(砲弾痕)が見つかった。同村教育委員会は沖縄戦の実相を伝える戦争遺跡として、村の文化財に指定しようと調査を進めている。

 記者は2日、村教委の文化財担当、嘉手納知子さんの案内でこの「砲弾痕」を目指した。頂上に展望台もある岩は標高約60メートル。ウバメガシやリュウキュウマツの林に覆われている。麓を出発し、枝葉や倒木を避けながら5分ほど斜面を登ると、岩肌が露出している部分の下方に到着。そこに生々しい痕があった。

 直径約110センチ、深さ約25センチで内部に亀裂が走る。麓からは林が目隠しになって見えない位置にあり、これまでその存在はほとんど知られていなかった。