梅雨が明けた。夏本番の到来だ。幼い頃の夏の記憶と言えば真っ先に麦茶の香りを思いだす。帰宅後、キンキンに冷えた麦茶を一気に飲み干し、涼を取るのが定番だった

▼大手メーカーのティーバッグで作るのが常だったので、県産小麦を使った麦茶の焙煎(ばいせん)体験ができると聞き、訪ねたのはうるま市勝連平敷屋の「宿&喫茶 アガリメージョー」。「地域の文化や交流が楽しめ、泊まれる喫茶店」をコンセプトに地元出身の眞榮里良人さん(39)が代々続く元家(ムートゥヤー)を改装し、昨年11月に開業した

▼麦茶の原材料は伊計島産の小麦だ。伊計自治会が50年ぶりに小麦栽培を再開させたと知り、「地域おこしにつなげたい」と、目玉メニューに据えた

▼自家用として県内各地で栽培されていた麦類。サトウキビなどへの切り替えで激減したが、近年、その価値が再評価され、栽培や活用が広がっている

▼オリオンビールは新商品に伊江島産大麦を初採用。沖縄そばの「金月そば」は県産小麦を練り込んだ風味豊かなもちもち麺が売りだ。沖縄市比屋根の地ビール店「クリフビール」も県産小麦を使った新商品を11日から発売した

▼県全体で約20トンと収量は多くないが、「県産は香りと甘みが抜群」と口をそろえる。生産者の誇りにつながる新商品が次々生まれることに期待したい。(石川亮太)