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辺野古工事、県議選後の再開 過去にも選挙中は工事を停止 影響回避狙う政府

2020年6月15日 05:30

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事が12日、約2カ月ぶりに再開した。県議選の投開票から5日後。菅義偉官房長官は再開のタイミングと県議選は「まったく関係ない」と否定する。ただ、政府は米軍基地工事を巡り、過去にも選挙期間中に工事を止めたり、選挙直後に再開したりしており、選挙への影響を回避する思惑も透ける。主な事例を振り返る。(政経部・大城大輔)

辺野古新基地建設工事が再開。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の埋め立て区域に、土砂を海に投入するブルドーザー=12日午後2時22分、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

主要選挙期間での辺野古新基地建設工事の政府対応

辺野古新基地建設工事が再開。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の埋め立て区域に、土砂を海に投入するブルドーザー=12日午後2時22分、名護市辺野古(小型無人機で撮影) 主要選挙期間での辺野古新基地建設工事の政府対応

 2014年は11月に知事選を控える中、10月に台風でフロートが打ち上げられるなどし、海上作業を一時中断。結局、知事選の期間中も作業しなかった。新基地建設反対を掲げた翁長雄志氏が、当時現職の仲井真弘多氏を大差で破った。

 知事選から3日後に海上作業を再開したが、わずか4日でフロートなどを撤収。12月の衆院選まで作業を見送った。「高度な政治判断が働いた」(政府関係者)という。

 16年の県議選、参院選は、新基地建設を巡る訴訟で国と県が和解していたため、作業を中断した。

 だが、参院選の翌朝、政府は米軍北部訓練場のヘリパッド建設のため、資機材の搬入を開始。翁長知事は「用意周到に待っていたのが見え見え。到底容認できない」と強く批判した。

 16年12月に県の埋め立て承認取り消しは違法との最高裁判決を得ると、政府は辺野古での工事推進を強める。17年10月の衆院選では工事を止めなかった。

 4選挙区のうち3選挙区で新基地反対の候補が当選したが、菅氏は「さまざまな施策について有権者が判断した」と述べ、反対が民意と認めなかった。

 18年8月に翁長知事が死去し、政府は喪に服すように土砂投入を延期。結果的に工事が止まったまま9月に知事選が実施され、玉城デニー知事が誕生した。

 19年2月の県民投票で「辺野古反対」が7割を占めたが、政府は翌日も土砂投入を続行。工事を止めない強い意志を示した。

 岩屋毅防衛相の「あらかじめ、(工事を)継続させていただくと決めていた」との発言が波紋を広げた。

 ただ、今月の県議選では工事を止めた。工事関係者に新型コロナウイルスの感染者が出たためだが、中断は2カ月と長期化。受注業者側には「県議選後の再開」を伝えていた。

 開票結果で「辺野古反対」が公明を含めた27議席と多数を占める一方、与野党の差は2議席に縮小した。「地方選挙の争点はさまざま」と繰り返してきた菅氏だが、今回は一転して「辺野古の理解が進んだ」と露骨に関連付けた。

(写図説明)主要選挙期間での辺野古新基地建設工事の政府対応

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