社説

社説[国会あす閉会]逃げずに説明を果たせ

2020年6月16日 08:00

 通常国会は、あす会期末を迎える。新型コロナウイルス対策を盛り込んだ総額32兆円に上る第2次補正予算が成立したことで、政府・与党は会期を延長せず、国会を閉じる方針だ。

 コロナ禍で深刻な打撃を受けた暮らしや経済を立て直しつつ、どのように第2波、第3波に備えるか。

 政府の判断の誤りや失策はストレートに国民生活に影響する。実際、給付金事業の手続きの遅れやPCR検査のもたつきなど、さまざまな場面で混乱が表面化した。

 有権者を代表する国会が国民の声を吸い上げ、チェック機能を発揮し、迅速で適切な対応を行政府に迫っていくことが何よりも重要だ。

 政府には、国民の疑問に向き合い、説明を尽くす責任がある。

 持続化給付金や観光支援キャンペーンの事務委託問題、10兆円に上る巨額の予備費計上の是非、黒川弘務前東京高検検事長を巡って噴出した数々の問題…。いずれも疑惑解明は不十分なままだ。

 河井案里参院議員に絡む公選法違反事件も、刑事責任追及に向け大詰めの段階を迎えている。

 コロナ禍が収まらないこの時期に、多くの疑問を残したまま国会を閉じるようなことがあってはならない。

 憲法は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集しなければならないと定めている。

 17日に予定通り閉会するのであれば、早期に臨時国会を開くことだ。

■    ■

 中小企業などを支援する持続化給付金を巡っては、769億円で受託した一般社団法人が、業務の大部分を電通に749億円で再委託し、さらに電通は関連会社などに再々委託していることが明らかになった。

 第一、入札の経過が不透明だ。事業を統括する中小企業庁長官と受託した法人幹部の「癒着疑惑」も表面化した。

 再委託率が高くなれば、発注した省庁さえ全体を把握するのが難しくなり、税金が適切に使われているかどうか、判断ができなくなる。

 予備費は「予見し難い予算の不足に充てるため」に計上されるもので、憲法第87条で認められている。だが、それはあくまでも例外措置である。

 10兆円もの巨額のカネの使途を白紙委任したとすれば、財政民主主義に反するだけでなく、国会の死を意味する。 使途について国会での継続論議が必要だ。

■    ■

 名護市辺野古の新基地建設を巡って政府は、県議選からわずか5日後に、埋め立て工事を再開した。

 工期は遅れる一方、事業費は膨らむ一方。普天間飛行場の一日も早い危険性除去は破綻してしまったが、驕慢(きょうまん)な姿勢は変わらない。

 軟弱地盤の大規模な改良工事に伴う環境アセスメントについても「必要ない」と拒否した。

 最新鋭戦闘機F35の「爆買い」といい、辺野古への湯水のような税金投入といい、もっと国会で議論されるべきで、それこそが国会の役割だ。

 
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