米国で黒人の子どもが10代になると、親が「警官から身を守るためのマナー」を伝えると知った。米国在住の本紙特約記者、平安名純代さんが教えてくれた。職務質問されたら、警官から見える場所に両手を置く

▼免許証の提示を求められても、すぐポケットに手を入れない。銃を出すと誤解されるから。「ポケットから取っていいですか」と必ず許可を得る。警官に撃つ理由を与えないためで、ほかにも多くのマナーがある

▼人種差別的と批判されたNHKのアニメが、こんな解説をした。「白人警察官には黒人に対する漠然とした恐怖心がある」。実態は逆だ。黒人が警察官に明確な恐怖心を抱き、自衛策を伝承している

▼米国と黒人の歴史は、17世紀が原点。アフリカから連れてきた黒人奴隷に、重労働を課した。20世紀も病院やレストラン、バスを白人と分ける露骨な差別が続き、異議を唱える黒人指導者は暗殺された

▼沖縄の基地問題と同様、市民の痛みを知るには歴史の理解が欠かせない。沖縄と米国、二つのルーツを持ち、戦後史を歩んだ玉城デニー知事は、高い関心を持っていると思う

▼県は「沖縄版SDGs」に「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命は大切)を盛り込み、発信してはどうだろう。公約の「誰一人取り残さない社会」にも合致する。デニーさん、ぜひご検討を。(吉田央)