沖縄県の阿嘉島の阿嘉小学校の児童たちが7日夜、阿嘉島の真謝ビーチでサンゴの産卵を観察した。地元ダイバーの協力の下、毎夜待機してやっと目にした幻想的な光景に歓声を上げた。

サンゴの産卵の様子を観察する児童たち=7日午後7時50分ごろ、座間味村・阿嘉島沖合(大柳公也さん撮影)

サンゴの産卵観察後、万歳のポーズを取る阿嘉小の子供たち=7日午後8時すぎ、座間味村・阿嘉島の海岸

サンゴの産卵の様子を観察する児童たち=7日午後7時50分ごろ、座間味村・阿嘉島沖合(大柳公也さん撮影) サンゴの産卵観察後、万歳のポーズを取る阿嘉小の子供たち=7日午後8時すぎ、座間味村・阿嘉島の海岸

 7日午後6時からダイバーたちが入水。産卵準備が確認できたという報告が学校を通じて各家庭にあり、小学校3~6年の児童8人、学校職員4人、地元ダイビング協会員8人がウエットスーツに身を包んで、ビーチに集合した。

 日が暮れ始めた午後7時半ごろ、岸に待機していた児童・職員がインストラクターに付き添われ、沖から40~50メートル、水深3~4メートルほどの観察ポイントまで泳いだ。

 児童らは群生するサンゴの上で放射状に整列し、産卵を待った。すると、サンゴが「バンドル」と呼ばれるカプセル状の卵をゆらゆらと産卵し始め、少しずつ数が増え出した。時間がたつにつれ、大量のピンク色のバンドルが一面を漂い、漆黒の海が幻想的な光景に変化。児童らは夢中で目を見開き、海中で手に触れたり、すくおうとしたり、自然の神秘を楽しんでいた。

 サンゴの産卵は予測が難しく、毎年5月から6月の1週間の待機期間を2回設け、その間、児童らは毎日海に出られるように自宅待機している。期間中、ダイバーが毎夕潜ってサンゴの状態を確認し、学校、各家庭と連絡体制をとっている。

 観察できたこの日は待機3日目。ダイバーの大島哲哉さん(48)は「子どもたちに自然のすばらしさを体験させたい一心で続けてきた。今日の感動を忘れず、故郷に誇りを持つ大人に育ってほしい」と思いを語った。

 同観察会は総合的な学習の時間を活用した今年で16年目の取り組み。当時、阿嘉小学校の教諭だった現竹富町立上原小学校の居原田晃校長が地元ダイバーに依頼したのがきっかけ。現在では中学生の体験ダイビングとともに学校の2大伝統事業として引き継がれている。(佐久本広志通信員)