新型コロナ沖縄の今

「学校行きたくない」突然の娘の異変に戸惑う親 目立つ不登校 ケアにあたる養護教諭「人手足りない」

2020年6月18日 10:52

[新型コロナ 沖縄の今]

沖縄県公認心理師協会が発行する「子どものこころ対応ブック」。学校再開後、各校からのニーズが高くなっているという。同協会ホームページでも閲覧できる

 新型コロナウイルスの影響による長期休校が明けて多くの学校が再開し、21日で1カ月。児童生徒は学校生活を取り戻しつつあるが、心や体が追いつかず登校できない子どもたちがいる。不登校や保健室登校が休校前の倍になった学校もある。識者は「社会の変化が大きいとき、いろいろな反応が出るのはごく自然なこと。子どものSOSとして受け止めて」と話す。(社会部・篠原知恵、銘苅一哲、西里大輝)

◇子どもたちのケアに感染防止策・・・養護教諭「人手足りない」

 学校現場では主に不登校ぎみの生徒や保健室への登校する生徒のケアを受け持つのは養護教諭。しかし新型コロナウイルス感染症の発生後は校内の消毒など感染防止も担当しており、人手が足りないと悲鳴を上げている。

 「学校へ行きたくない」

 那覇市の40代女性は、小学校1年生の娘が入学して登校2日目の朝に突然泣きじゃくる様子に面食らった。入学を目前に控えた外出自粛期間中は「ずっと家にいるのはつまらない」と家の中でランドセルを背負うほど登校を楽しみにしていた。

 翌3日目も朝から涙を流して「行きたくない」と懇願する娘。「頑張ろう」と泣いて嫌がる娘を連れて一緒に登校しても、小さな体をばたつかせて精いっぱいの抵抗をされた。

 現在は休んだり、登校したりの日々を送る。娘の笑顔は次第に消えて食欲も低下した。体重は1週間で2キロ減り、発熱する日もある。

 解決の糸口が見えず担任への相談も考えたが、1人で30人の児童を受け持つ担任の負担になってはいけないとためらっている。入学したばかりで、養護教諭やスクールカウンセラーにどうすればつながることができるのか分からないという。

 女性は「しばらくは行ったり来たりが続くと思う。互いに励まし合いながら、娘に寄り添いたい」と声を落とした。

◇保健室登校も増える

 那覇市内の高校で養護教諭を務める40代女性は「欠席が続いたり、教室に入れず保健室に登校する生徒は休校前よりも増えた」と明かす。それぞれの生徒が学校に通えない明確な理由はまだ分からない。ただ、休む生徒の数はコロナ休校前の2倍に増えた。

 養護教諭は、精神面に気になる生徒がいれば、教育相談やスクールカウンセラーへとつなぐ役割がある。一方で、感染防止のための校内消毒など業務は増加している。

 養護教諭は「本来の役割を果たすためにも、感染防止策の支援員を学校に配置してほしい」と訴えた。

◇ゲーム依存疑われる子も

 子どもの心の変化は医療現場でも。子どもの心療内科「ハートライン沖縄クリニック」(那覇市)では、これまで不登校の新規患者は平均1日1人だったが、今年5月以降は3人に増加している。

 「ゲーム依存」が疑われる子の受診も目立つ。吉澤孝典院長は「突然の休校で学力や体力、コミュニケーションへの自信のなさが増幅し登校できない子も。新型コロナ後は、読み解きづらい症状の子が出ている印象だ」と話した。

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