「失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ」。数あるエジソン語録の中でお気に入りの言葉。

エジソンズ・ゲーム

 世紀の発明王と教えられ、恥ずかしながらこの年まで、電球を発明した偉大な人物としか記憶していないトーマス・エジソン。それが、この事実に基づく物語「エジソンズ・ゲーム」によると電球を発明したのは別の人、彼が成しえたのは電球を改良して電灯の事業化を成功させた人であるという事実。

 そして、自らの持論にこだわるあまりにカリスマ実業家に闘いを挑むエジソンのなんともずるい一面も垣間見える。巨額の金が動く覇権争いに裏取引やネガティブキャンペーンと、まるで一国の大統領選の感ありだ。

 天才ゆえの働き方は周りを巻き込んで迷惑なことも多いけれど、今私たちが楽しんでいる映画にも貢献したとなれば勝手に親近感を覚える。

 断片的な記憶が映画によって掘り下げられていく体験は推理もののようにワクワクする。電球のフィラメントに京都の竹が使用されていたなんていうのもびっくりだ。

 長い自粛生活の中、思い出しては見直す映画も多かったが、やはり映画は暗闇の中の大スクリーンで見たい。(スターシアターズ・榮慶子)

 ◇シネマQで上映中