沖縄「慰霊の日」の23日、宮古島市伊良部(いらぶ)前里添の慰霊之塔前では「戦没者追悼式」(主催・伊良部地区遺族会)が執り行われた。今年は新型コロナウイルスの影響で式典は中止され自由参拝となったが、例年と変わらず戦争で肉親を亡くした遺族らが早朝から次々と訪れた。高齢者らは涙を浮かべながら戦没者のみ霊を慰め、平和への誓いを新たにした。

「二度と戦を起こしてはいけない」と恒久平和を願う仲間恵義さん=23日、宮古島市・伊良部慰霊之塔

 参拝に訪れた同区遺族会前会長の仲間恵義さん(90)は、ボルネオやダバオなどの南方で亡くなった父親と2人の兄に線香を手向けた。仲間さんは4人兄弟の三男。1944年、教員を目指し宮古中等学校(現在の宮古高校)に進学した。だが、翌年から戦況が厳しくなり学業を中断、軍に召集された。手旗信号やモールス信号を学び、通信兵として伊良部島で終戦を迎えた。

 戦後は母親と妹の3人暮らし。母親は行商をしながら女手一つで仲間さんと妹を育ててくれたという。しかし間もなく妹が病で亡くなり、厳しい家計を助けようと、漁師の道へ進んだ。

 21歳で芳子さんと結婚、7人の子どもに恵まれた。女優の仲間由紀恵さんは孫の一人。昨年6月、双子の男の子を出産した由紀恵さんが訪ねてきたといい「とてもうれしかった」と笑顔で話した。

 仲間さんは「戦は人殺しと国の奪い合い。二度とあってはならない。幸せな日々を過ごせる平和が一番だよ」と語った。