那覇市在住の山城政幸さん(70)は蓄音機を集めて30年、その数は80台ほどになった。時には海外に飛び、コレクションを増やしてきた。合わせて集めたレコードも3万枚に上る。「いい音」を求めているうち、収集に夢中になった。(社会部・勝浦大輔)

蓄音機について説明する山城政幸さん=24日、那覇市内

 集め出したきっかけは、母との何げない会話からだった。山城さんが30代後半の頃、母が「蓄音機って昔あったよね。音を聞いてみたい」と切り出し、「それなら買って来るよ」と安請け合いしたのが始まり。国際通りですぐ見つかると考えていたら探せず、3~4カ月後に仕事で行った京都の骨董(こっとう)市で入手できたという。

 仕事で医療教育用の映画を作っていた山城さんは、その映画音楽の収録用にクラシックのレコードを集めだし「いい音」を探求。蓄音機の収集に拍車が掛かった。米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアなど、情報を得ると現地へ渡り、購入した。

 レコードは1~2年前、蓄音機は約8年前に買ったのが最後という。湿気対策で、保管場所は毎朝窓を開けて空気を入れ替える。蓄音機はゼンマイが膠着こうちゃくするのを防ぐため、週1度はローテーションで複数台音を鳴らす。「俺も、俺も(鳴らして)という声が聞こえてくるんだよ」と今でも手入れは欠かさない。

 50代頃まで、南は糸満、北は国頭村辺土名の小中学校や地域の婦人会などに呼ばれ、蓄音機のコンサートを開くなど、依頼を受ければボランティアで活動していた。県外の大学や国外の博物館、研究者からも問い合わせがあり、その都度協力している。「自分の物ではなく皆さんの物と思っている」と話す。

 保管場所も手狭になり、ゆくゆくは売却するなど処分を進めたいという。「お気に入りは、自宅に置いてね」と笑った。要望があれば展示のために貸し出しもする。問い合わせは山城さん、電話090(5932)1010。