【宜野湾】宜野湾市議会(上地安之議長)の6月定例会は29日、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案を反対多数で否決した。野党(社民、無所属)と中立(公明、無所属)の11人は賛成し、与党(自民系)12人は反対した。25日の総務常任委員会では可否同数となり、委員長裁決で否決していた。

条例案を採決する議員ら=29日、宜野湾市議会

 反対討論では、性別などの多様性に関する表現に疑義が集中。「男女平等の理念は男女共同参画社会基本法にあるが、多様性の部分は上位法がない。形式的な不備だ」「市長が事前に諮問したのは『男女共同参画を推進する条例』に向けた会議。多様性を盛り込んだ答申は諮問内容と隔たりがある」「多様性に関する解釈は慎重な議論が必要」などの意見が上がった。

 条例案は、市民、事業者、教育関係者、自治会に対し、条例の理念を踏まえた市の施策に積極的に協力する責務があるとした。人権侵害の禁止をうたう項目では、DV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力と合わせ、ヘイトスピーチも盛り込んでいた。

 松川正則市長は沖縄タイムスの取材に「否決は残念。男女共同参画という明確な目標が、他にいろいろ盛り込みすぎてぼやけてしまった。反対の意見を改めて検証したい」と話した。

 条例案は昨年12月に執行部が提案を見送り、今年の3月定例会で継続審査となっていた。男女共同参画に関する条例が未制定なのは県内11市で宜野湾のみ。

 市が諮問した「宜野湾市男女共同参画会議」の副会長で琉球大学法科大学院の矢野恵美教授は「男女雇用機会均等法の指針は『性的指向や性自認にかかわらず全ての人がセクハラの対象になる』と明記している。男女平等も多様性の尊重も基本的人権の問題。合わせて議論しようというのが時代の流れだ」と指摘した。