孫の諸見里加菜子さん(35)らの介護を受け、在宅生活を送っていた嘉陽宗安(そうあん)さんが6月24日、老衰のため那覇市内の自宅で亡くなった。96歳だった。認知症とがんを患う宗安さんの表情や体調変化を「在宅介護 最強孫」の名称でインスタグラムにつづってきた加菜子さんは「家族に囲まれて、穏やかに眠るように旅立った。生きざまもパーフェクトだった祖父は、逝きざまもまたパーフェクトだった」と大正から令和まで四つの時代を歩んだ生涯をねぎらった。

諸見里さんのインスタグラム。「在宅介護 最強孫」の名で祖父との日々をつづった

祖父嘉陽宗安さんの告別式で「最優秀人生だったで賞」の賞状を読み上げる諸見里加菜子さん=6月26日、浦添市・いなんせ会館(落合綾子撮影)

諸見里さんのインスタグラム。「在宅介護 最強孫」の名で祖父との日々をつづった 祖父嘉陽宗安さんの告別式で「最優秀人生だったで賞」の賞状を読み上げる諸見里加菜子さん=6月26日、浦添市・いなんせ会館(落合綾子撮影)

 会社を長期休職し、宗安さんの介護を最優先してきた加菜子さんを本紙5月21日付くらし面やウェブ上で紹介。同様に家族の介護を経験した当事者や福祉・医療の関係者たちから、多くの共感や応援の声が寄せられた。

 6月に入ると食事量がぐんと減り、やがて水分も受け付けなくなった宗安さん。亡き妻クラさん(享年93)を思い浮かべては「おーいクラ、来たんか?」と口にし、加菜子さんには「お前も死ぬんか?」と語り掛けるように。加菜子さんは「祖母が迎えに来ていたのかな。祖父なりに死を意識していたのかもしれない」と推し量る。

 亡くなったのは24日未明。大阪から駆け付けた親族も交え宗安さんの武勇伝で盛り上がる中、ゆっくりと呼吸を止めたという。「振り向けば家族がいる。離れていても、何かあれば団結してみんなで乗り越えなさい」。それが宗安さんの教えだったと、加菜子さんは胸に刻む。「祖父の介護が家族の絆をより強くした。生き方だけでなく、老い方や死に方も含めて最高の人生を見せてくれた」

 2日後の26日、浦添市の斎場で営まれた告別式。加菜子さんは祖父に感謝を伝える孫4人の締めくくりで祭壇前に進み、手書きの賞状を広げた。授与したのは「最優秀人生だったで賞」。「在宅介護を通じて最強孫を仕立て上げ、沢山(たくさん)の幸せと学びを与えてくれたことをここに賞します」と宗安さんの功績をたたえた。

 クラさんを合わせると約15年に及ぶ祖父母の介助や介護を、加菜子さんはキーパーソンとして担ってきた。「2人に寄り添えた日々があるから、これから訪れるであろう両親や伯母を支える未来も怖くない。祖父がいない世界は真っ黒で色がないように感じるが、少しずつ現実を消化しながら、天国の祖父母に心配をかけないよう頑張っていきたい」(学芸部・新垣綾子)