ことし1月末に沖縄県警を退職した元警部補の佐久真功さん(35)が探偵に転職した。警察官時代に培った捜査力を生かし、不倫に悩む人や音信不通になった家族の調査などに協力している。佐久真さんは「刑事で培ってきたノウハウを120パーセント生かせる職業は探偵。困っている人にとことん向き合える仕事だ」と意気込んでいる。(社会部・比嘉太一)

沖縄県警を退職し探偵に転職した佐久真功さん=3日、浦添市の探偵事務所

■相棒に誘われ

 佐久真さんが所属するのは浦添市当山のHOPE沖縄探偵事務所。元警察官の波平裕寿さん(36)が代表を務める。佐久真さんと波平さんは警察学校の同期。寮で相部屋になったのがきっかけで意気投合した。

 2人は2010年に那覇署の刑事として配属され、窃盗や傷害など数々の事件を解決に導いた。いつしか同僚たちから「相棒」と呼ばれるように。その後も佐久真さんは宜野湾署の強行犯係長や公安事件捜査係長など刑事として活躍した。

 「刑事に一番のやりがいを感じていた」。だが人事異動で県警本部長の運転手や県警本部警務課などに配属となった。

 ちょうどその頃、先に県警を退職し探偵事務所を立ちあげた波平さんが「探偵にならないか」と熱烈にラブコール。佐久真さんは刑事としての経験を生かせると考え、転職を決意した。

 尾行、待ち伏せ、聞き込み-。刑事時代にたたき込まれた捜査の基本は、探偵の仕事をする上でも調査の基となっている。

■家族の捜索も

 探偵になって約半年、扱う事案の多くは不倫問題や行方不明になった家族の捜索。「特に沖縄は不倫問題が多い。中には夫の不倫で精神的に追い詰められ、悩み苦しんでいる人たちが多い」と実情を打ち明ける。高齢の依頼者が「孫の顔が見たい」と音信不通になった息子の調査を依頼してきたケースもあるという。

 「探偵の仕事は高額な料金を請求されることやうそくさいなど悪いイメージを持つ人たちが多い。だが自分たちは刑事をしてきたからこそ、本当に困っている人たちに時間をかけて寄り添うことができる」

 探偵の仕事は真夜中や休日でも依頼者から連絡や相談が来る。「警察官時代は目の前の案件に追われ、勤務時間以外に被害者に寄り添えたかと言われれば難しいところもあった」と振り返り「でも今は違う。探偵として困っている人たち、苦しんでいる人にとことん寄り添えることが一番のやりがいだ」と話した。