#夏は終わらせない県高校野球

尽きぬ熱意、後輩へ託す 引退した3年生 「いい勝負を」気持ち一つ

2020年7月4日 11:00

[#夏は終わらせない 県高校野球](8)

大会を前に引退した球陽の玉城琉愛さん(左)と神山怜之(右)。思いは山内夏稀(中央)ら後輩たちに託された=球陽高校

 県内の高校球児が最後の夏に向けて闘志を燃やす一方で、次の夢を追い掛け、大会を前に高校野球を終えた3年生もいる。甲子園中止が決まり、球陽では主将の神山怜之(れいし)とマネジャーの玉城琉愛(るな)さんが引退した。

 多くの生徒が大学進学を目指し、受験勉強に励む同校。昨夏まで6人いた同年生の選手は大会を終えると学業を優先し、5人が先輩と一緒に引退した。神山もぎりぎりまで悩んだが、「このまま下級生に何もせずに手放すのは無責任では」と主将としての責任感が湧いた。さらに、先輩たちが競り負けて悲しむ姿を見て、続けることを決めた。

 大勢の在校生が応援してくれたことも忘れられない。2勝して3回戦に進んだ2年前は「何をしても盛り上がった」という。昨夏はより大きな歓声をコーチャーボックスで浴びた。

 後輩たちの中で1人で過ごすのは「きつかったし、つらかった」ものの、中途半端は嫌で必死に集大成の夏を目指してきた。そのさなか、コロナ禍に巻き込まれた。

 部活を続けるつもりだった玉城さんは「甲子園中止が決まって怜之とLINEをした時に、彼がこれまでこんなに大変な思いをしてきたとは思わなくて。涙が出てきた」と話す。最後の夏、ベンチでスコアを書きたかったし、大好きなアナウンスもやりたかった。だが共に過ごし、後輩たちをまとめてきた神山と一緒に引退を決めた。

 引退のあいさつをしてから、1カ月以上がたった。時間の経過とともに気持ちを切り替え、「辞めたからには大学に合格しなくちゃ」と次の目標に歩み出している。

 2年生で新主将の山内夏稀は「怜之さんと琉愛さんのために勝とうと練習してきた。気持ちは変わらない」と先輩の思いを背負い、夏の舞台に臨む。

 初戦の4日は学校で模試があり、2人は試合を見ることができない。だが「気持ちで負けなければ、いい勝負ができる」と神山。玉城さんも「かわいい後輩たち。シンプルに勝って」。離れていても気持ちは一つ。さまざまな3年生の思いが詰まった、特別な夏が始まる。(我喜屋あかね)=おわり

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