何点取られたか、分からなくなるぐらいの大負けだった。運営に携わっている学童野球チームの練習試合。県内でも指折りの相手に力の差は歴然で、ただ子どもたちを励ますしかすべがなかった

▼試合後、責任者があいさつに来て「また機会があればお願いします」という。社交辞令とは思えず、学ばせてもらうつもりで尋ねてみた。「弱いチームと試合してメリットがあるのでしょうか」

▼丁寧に答えてくれた。友だちになったり、ライバルができたり、大事なのはチームの枠を超えた交流であること。相手はより好みしないこと。大人は補佐役であること。誠実な考えに心打たれた

名護市で12日、7中学校の硬式テニス部が競い合う今年限りの大会が開かれる。新型コロナウイルスの影響で中学総体が中止になった部員のために、名護中でコーチをしている丸山寛治さん(52)が一から企画した

▼丸山さん自身はテニス未経験だったが、2人の息子が中学生の時にコーチを買ってでた。口数が少なくなる年頃でも、テニスを通して親子関係を築けた気がしている。だから部活動には思い入れがある

▼やるからには勝ちにいくのがスポーツ。けれど、子どもたちにとって大切なものとは。大人の立ち位置とは。真剣勝負の先に何かが得られるのは子も大人も同じなのかもしれない。(粟国雄一郎)