沖縄県は8月をめどに、県内港湾施設の劣化状況調査に着手する。高温多湿で台風などによる塩害を受けやすい沖縄は、他県より劣化しやすい。2015年度の調査では機能の低下や、低下の恐れがある施設が24%に上ったが、予算不足で改修に着手できたのは半数以下だった。県は調査を踏まえ本年度末に、予防保全計画を更新する方針。施設の重要性や補修の緊急性を加味し、優先度を明記する。改修予算確保に向けて県土木建築部は、次期沖縄振興計画に改修事業の補助対象の拡大や、補助率の引き上げを盛り込みたい考えだ。

くぼみに雨水がたまった本部港本部地区の荷さばき地=6月9日、本部町

 県内には38の港に加え、1880の防波堤や岸壁、臨港道路など、多くの港湾施設がある。潮の状況で港を使い分けるため、一つの離島に複数整備されている。

 今の予防保全計画は15年度に策定し、16年度から5年計画。策定前の調査で、作業に支障が出るなど「性能が低下している状態」が73施設で7%。「補修せず放置した場合に性能が低下する恐れがある状態」は142施設17%だった。

 本年度は計画の最終年度だが、改修に着手できたのは半数以下。主な要因は予算不足だ。

 1港湾で2億円未満の改修事業には、国の補助メニューがない。2億円以上の事業でも補助額は3分の1にとどまるため、予算確保が大きな壁となっている。

 15年度から劣化が進んだ施設もあり、生活や産業に欠かせない物流拠点の補修に向けた計画と予算確保は、喫緊の課題だ。

 本部港本部地区の荷さばき場は、幅約20メートル、長さ約120メートルに渡りくぼんでいる。整備した岸壁と旧岸壁の高低差で生じた。13~16年に補修したが、完了には予算が足りず、一部のくぼみが残ったままという。

 雨水がたまると、その場所で作業ができない状況が続く。県は「2、3年の間には完了させたい」との考えを示している。

(政経部・屋宜菜々子)

(写図説明)くぼみに雨水がたまった本部港本部地区の荷さばき地=6月9日、本部町