社説

社説[コロナ感染再拡大]水際と台風対策怠るな

2020年7月8日 06:54

 新型コロナウイルスの新規感染者が東京都で6日連続100人を超え、全国でも増加傾向で、感染拡大の第2波に対する懸念が高まっている。

 「観光県」で、人の出入りが多い沖縄では、県外から持ち込まれる可能性が高い。予断を許さず、いかに水際で防ぐかが、コロナ対策の決め手になる。

 県は、県をまたぐ移動自粛が全面解除された6月19日、水際対策強化を目的に、那覇空港内に旅行者専用相談センター沖縄(TACO=タコ)を開設した。

 サーモグラフィーで発熱が確認された人を、常駐する看護師が検温・問診し、症状があれば、保健所につなぐ。

 ただ問診は任意で、7月6日までに発熱が確認された4人のうち1人は同意を得られず、問診できなかった。

 感染者を水際で止めるセーフティーネットとしてはまだ目が粗い。

 観光業界からは、空港でPCR検査や抗原検査を受けられる体制を望む声が上がっているが、実現していない。専門家の配置や設備投資、安全対策が必要で「効率性に課題がある」(県)という。

 移動自粛の全面解除後、沖縄路線の予約は増え、観光客は少しずつ戻ってきている。

 県は、県民向けの県内旅行助成事業「おきなわ彩発見キャンペーン」を開始。政府も8月に観光支援事業「Go To キャンペーン」を実施する。

 経済活動を止めないためにも県民、来県者に安心・安全を担保する、きめ細かな水際対策を構築する必要がある。

■    ■

 第2波を考えたとき、「台風県」の沖縄ではコロナに対応した災害対策も欠かせない。

 災害時の避難所は密閉、密集、密接の「3密」になりやすく、クラスター(感染者集団)発生のリスクが高まる。 コロナ禍で、豪雨被害を受けた熊本県の避難所の現状を目の当たりにすると、身につまされる。

 避難所では、1人当たりの避難スペースを広く取るため、収容可能な人数が制限される。そのため、避難所の数を増やしたり、間仕切りを設置したりと新たな対応が求められる。

 国土交通省はコロナ対策を念頭に、避難所に使う公共施設を改修したり、避難所に指定されている施設を改築する自治体に、交付金などで財政措置する方針だ。

 県内の自治体は、こうした財源を使いながら、台風シーズンに向け、早急に対策を講じる必要がある。

■    ■

 「備え」は一朝一夕にはできない。予算も人も必要になる。先を見越して、周到に準備しなければならない。

 県や各市町村には、観光県、台風県という沖縄ならではの事情を重視したコロナ対策が求められる。

 県は、第2波に備え、警戒レベルを4段階に分ける新たな指標を発表したが、数字が細かく、分かりづらいという指摘があった。

 コロナ感染拡大予防は県民、来県者一人一人が担う。共通認識を持つためには、実効性とともに、分かりやすい情報発信も欠かせない。

前の記事へ 次の記事へ
連載・コラム
きょうのお天気
アクセスランキング
ニュース 解説・コラム
24時間 1週間