「琉球新報、沖縄タイムスが全て正しいという立場ではない」。元防衛相の石破茂さんは、辺野古新基地の検証が必要と発言した講演で、沖縄2紙にも言及している。何やら持って回った表現だ

▼自民党の国会議員に「沖縄の新聞はうそばかり」と言われたことがある。どの記事か聞くと答えず「中国の問題を全く載せない」と言う。中国艦船が海自艦にレーダー照射した問題を、1面に載せた年だった

▼石破さんの言葉は裏返すと、大手紙が報じない核心を突く記事もあるという意味と解釈した。「政府が全て正しいか検証が必要」と続けた。軟弱地盤に約1兆円の税金をつぎ込む国策に、懐疑的なのだろう

▼元防衛相の中谷元さんは、新基地の軍民共用などを訴えた。前回の自民党総裁選で石破さんの推薦人に名を連ねている。連動しているとみるのが自然だろう。辺野古に造る前提は歓迎できないが、現計画への与党からの懐疑は、壁を崩すアリの一穴(いっけつ)になり得る

▼専門家の解析は大浦湾側の護岸を、工事中は震度3以上、完成後は震度1以上で崩壊のおそれありと警告する。地震を誘発する活断層の存在も指摘する

▼巨費を投じ、十数年かけても完成がおぼつかない。完成後も低耐震ではムダの極みだ。「辺野古が唯一」への固執だけでは政策に値しない。政治が「プランB」を示す時ではないか。(吉田央)