三線にアイヌ民族の守り神を-。北海道釧路市で「日本最北端の三線工房」を開く三上倫平さん(53)が、アイヌの刺しゅうを施した三線を製作している。北の大地の魅力を縫い込んだ三線から奏でられる南国の音色。三上さんは「沖縄の良さを、北海道から発信したい」と意気込む。(社会部・下地由実子)

アイヌの守り神であるフクロウをイメージした刺しゅうをした三線のティーガー(胴巻き)と天キャップ(三上倫平さん提供)

アイヌの刺しゅうを施したティーガー(三上倫平さん提供)

アイヌの刺しゅうを施した三線を製作した三上倫平さん=北海道釧路市(本人提供)

アイヌの守り神であるフクロウをイメージした刺しゅうをした三線のティーガー(胴巻き)と天キャップ(三上倫平さん提供) アイヌの刺しゅうを施したティーガー(三上倫平さん提供) アイヌの刺しゅうを施した三線を製作した三上倫平さん=北海道釧路市(本人提供)

 北海道出身の三上さん。15年ほど前、ダイビングで潜った沖縄の色彩豊かな海と、酒を飲んで歩いた街のあちらこちらから聞こえてくる三線の音に魅了されて、唄者に。さらに、「手掛けた三線が全国の方に喜ばれたらうれしい」と、那覇市の名工に習って製作にものめり込んだ。

 12~13年前からは、釧路で工房を開いている。沖縄からさおや胴、皮などのパーツを仕入れ、形を整えて組み立てる。ただ、せっかくの「日本最北端の三線工房」で作る、沖縄を象徴する楽器。「北海道の特色と、沖縄のよき芸能を合わせられないか」と考えるようになった。

 具体的に構想が深まったのは今年4月から。弦楽器「トンコリ」など、沖縄の文化と似た音楽のあるアイヌ。「三線にアイヌの装飾を取り入れたらいいものができる」と、「北と南のコラボ」を思い付いた。阿寒湖畔の釧路アイヌの女性たちに相談すると、すぐに話がまとまった。

 フクロウをイメージした刺しゅうの名は「コタンコロカムイ」。村の守り神を意味する。三線の胴巻き「ティーガー(手掛)」と、頭の「チラ(天)」にかぶせるキャップに施す。藍色の布地に黄や赤、緑の糸を織り込み、自然の素朴な力強さを感じさせる仕上がりだ。

 手に取った客からは「神々しい感じがする」「シンプルでモダンなデザイン。かえって三線が引き立つ」と好評だ。製作は注文を受けてから。

 問い合わせは三上さん、電話090(8427)7333。

(写図説明)(上)アイヌの守り神であるフクロウをイメージした刺しゅうをした三線のティーガー(胴巻き)と天キャップ

(写図説明)(下)アイヌの刺しゅうを施したティーガー(いずれも三上倫平さん提供)

(写図説明)アイヌの刺しゅうを施した三線を製作した三上倫平さん=北海道釧路市(本人提供)