【糸満】県立沖縄水産高校海洋生物系列の3年生と市立高嶺小学校の6年生が2日、昨秋に共同で人工授精させたシラヒゲウニを名城ビーチ沖で放流した。人工授精に使用した10個体から4千匹以上が育ったといい、生徒と児童らは「大きくなってね」とそっと海に放した。(南部報道部・松田麗香)

昨秋に高嶺小の児童と沖水高の生徒が人工授精したシラヒゲウニ=2日、糸満市名城沖

 県内のシラヒゲウニの漁獲量は最盛期の1975年に2200トンだったのが、現在は約2トンと激減。同高校では漁獲量の回復を目指し、県栽培漁業センターの指導で全国の高校で唯一シラヒゲウニの種苗生産に取り組む。2014年からは完全陸上養殖の技術開発を進めている。

 昨秋、市の海洋教育のモデル校となっている高嶺小の児童と共に、人工授精を実施。親ウニ10個体から4200匹の稚ウニが育ち、そのうち陸上養殖の研究で使用しない3500匹を放流することになった。

 喜屋武漁港から船で名城ビーチ沖の浅瀬に移動し、海底にウニを放流した。

 じっとウニを観察していた伊敷桃子さん(11)はとげが動く様子を見て「ウニが自分で歩けるなんて知らなかった。ちょっとかわいいかも」と愛着が湧いた様子。「どのくらい大きくなったら食べられるかな」と味を想像する大人を横目に、上原弓芽(ゆが)さん(11)は「ウニって薬みたいな味じゃない? 大人の舌になったらおいしく感じるのかな」と不思議がっていた。

 與那覇幸村さん(17)は「ウニが病気にならないよう水や餌に気を遣って大切に世話してきた。海の中でもっと大きく、元気に成長してくれたらうれしい」と期待した。