「絵を通して子どもたちが多様性に触れることで、固定観念をなくしてほしい」。そう語るのは、大学に通う傍らアーティストとして活動する沖縄大4年の比嘉康太さん(22)。新型コロナウイルスなどの非常事態の中でも、自分にできることを考え「コロナが収まったら、子どもたちと絵を通じて交流したい」と意欲的だ。

思い入れがあるという「ソフトシリーズ」を手にする比嘉康太さん=8日、那覇市の沖縄大学

 元々は空手一筋の体育会系男子だった。昨年3月、練習中に膝をけがして手術を受けることになった。療養生活の中で空手練習の代わりに取り組み始めたのは、小さい頃から好きだった絵を描くこと。作品をインスタグラムに投稿すると多くの高評価をもらい、今ではアーティスト仲間が増えたという。

 これまで校内の学園祭や県内の銀行でアート展に出展するなど精力的に活動の幅を広げている。

 作品の中で特に思い入れがあるのは「ソフトシリーズ」の絵。「甘い」「幸福」などを象徴するソフトクリームと、自分で行動して得たリバティ(自由の女神)とを掛け合わせたデザインだという。比嘉さんは、周りの目を気にして自分からなかなか行動しない若い世代に「自ら行動して自由と幸福をつかむ重要性をアピールしたい」と思いを語った。

 新型コロナウイルスの感染が一時収まり、政府の緊急事態宣言が全面解除された6月から、保育園を訪問して子どもたちと一緒に楽しく絵を描くことを企画、今月中旬に宜野湾市内の保育園で絵画を通した交流会の開催が決まった。

 比嘉さんは「今後は小中学校も訪問し、子どもたちに多様性あふれるアートを身近に触れてほしい」と意気込んでいる。

(社会部・徐潮)