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基地と街の間「フェンス一つだけ」 米軍クラスターに募る不信

2020年7月12日 18:00

 米軍関係の新型コロナウイルス感染者は、どのくらいの数なのか。米軍が非公表から一転、公表に応じた11日夜、県は「衝撃を受けた」という新たな感染者が45人に上ると発表した。大勢の患者は基地内外を行き来したか、米軍の予防体制は本当に十分か-。基地発の感染リスクが見通せないまま広がり続けることに、県民は憤りの声を上げた。

米軍キャンプ・ハンセンのメインゲートでは基地外へ出る車両を止めて検温し、質問する様子が確認された=11日午後3時半ごろ、金武町

 米軍キャンプ・ハンセンのメインゲートでは、11日もYナンバー車両や基地従業員らの車両が断続的に出入りし、入り口で検温などを行っていた。普天間飛行場でも軍服姿の男性が運転する車両がゲートを出入りする様子が確認された。

 在沖米軍トップのクラーディー四軍調整官は11日、玉城デニー知事に2基地を「ロックダウン(封鎖)している」と説明したが、ゲート前の状況は全く異なっていた。

 「感染拡大を防ぎたいのなら、基地外に出さずに基地内だけで隔離すべきだ」と怒りをあらわにしたのは、キャンプ・ハンセンを抱える金武町に住む女性(70)。「基地と街の間にはフェンス一つしかない。米軍には正しい情報を流す責任がある」と声を荒らげた。

 キャンプ・ハンセンで働く女性は「ネットニュースを見て人数に驚いた。本当なのか。にわかに信じがたい数字」と驚いた様子。「こんな状況でも働き続けないといけないなんて」と動揺を隠さなかった。

 普天間飛行場で働く男性は「基地内の感染状況が刻々と変わっても、職場では説明がない。知人に聞いたり報道をチェックしたりして、手探りするしかない」と声を落とす。自分が感染している可能性を考え、職場から戻ると自宅にこもる日々。「このストレスは大きい」と戸惑った。

 一方、米軍が借り上げた北谷町のダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾートでは11日、軍関係者がくつろぐ姿も。沖縄防衛局は「原則客室で過ごす」と説明していたが、ベランダに出る家族や屋上のバーで写真を撮る男女の姿が見られた。

 本紙取材や複数の自治体関係者の話から同ホテルでの米軍の宿泊が明らかになったが米軍側は今も非公表。北谷町桑江の男性(45)は、貸し切りを知らせる張り紙を熱心に読み「ホテルから出さないように徹底されていればいいが」と不安顔だった。

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