[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](302)

イラスト・いらすとや

 不正咬合(ふせいこうごう)とは、上下のアゴの大きさや位置、歯の生え方や歯とアゴの大きさのアンバランス、さらに舌の癖など悪習癖により上の歯と下の歯がきちんと噛(か)み合わない状態で、矯正治療が必要な主な不正咬合は以下の通りです。

 (1)反対咬合 受け口のこと。上下の前歯が反対の状態で、下アゴが前方に出ていたり、上アゴが後退した骨格的に問題がある場合と、下の前歯が前方に出ていたり、上の前歯が後退して歯の位置に問題がある場合があります。

 (2)上顎前突(じょうがくぜんとつ) 出っ歯のこと。上の前歯が前に出ている状態で、上アゴが前に出ていたり、下アゴが後退し骨格的に問題がある場合と、上の前歯が前方に出ていたり、下の前歯が後退して歯の位置に問題がある場合があります。

 (3)叢生(そうせい) 乱杭(らんぐい)歯のこと。歯が凸凹になっている状態で、アゴが小さくなっている現代人に多く、八重歯はこの叢生の一つです。

 (4)空隙歯列(くうげきしれつ) すきっ歯のこと。歯と歯の間に隙間がある状態で、舌が大きい、舌の癖、歯が小さい、歯の欠損、歯が骨の中に埋まっていて生えていないなどが原因です。

 (5)開咬(かいこう) 奥歯を噛みしめた時に上下の前歯が噛み合わず、上下の前歯の間に隙間がある状態で、舌の大きさや舌の癖、指しゃぶり、鼻疾患などが原因。

 (6)過蓋(かがい)咬合 上の前歯が下の前歯に深くかぶさっていて、下の前歯が見えにくい状態です。

 (7)交叉(こうさ)咬合 奥歯の噛み合わせが上下逆の状態。横向き寝や頬づえ、舌の位置の不正などが原因で、上下の前歯の正中線がずれていることもあります。

 (8)埋伏(まいふく) 生えてこずに骨の中に留まってしまう歯のこと。

 多くの不正咬合の矯正治療は、永久前歯が生えそろう時期や時に乳歯の時期と永久歯が生えそろった後に開始する2期的治療が一般的です。また、80歳で20本以上の歯が残っている人たちは、前歯や奥歯がしっかりと噛み合い、安定していて、反対咬合と開咬の人はいなかったという報告もあります。(山内昌浩 山内矯正歯科クリニック=嘉手納町)