高山羽根子さんの「首里の馬」が芥川賞に決まったことに、県内の作家や書店からは、沖縄の持つ文化の力を再認識する声が上がった。

芥川賞を受賞した「首里の馬」が掲載されている雑誌を並べる書店=15日午後、那覇市・リブロリウボウブックセンター店

 「豚の報い」で1996年に芥川賞を受賞した作家の又吉栄喜さんは「昨年の直木賞の『宝島』に続き、いい傾向だ。沖縄にはアジアや世界につながる普遍性や特色、小説的土壌がある」と解説。「沖縄が注目されることで基地など諸問題にも関心が広がるのではないか」と期待し、県内の若い書き手に「沖縄の社会や人間を凝視し、足元を掘ってもらって、ぜひ続いてほしい」とエールを送った。

 作家の大城貞俊さんは「他県の作家が沖縄をどう描いているのか興味深い。沖縄を題材に日本文学を揺さぶるような作品が、地元の作家やヤマトの作家から生まれることを期待したい」と話した。

 「首里の馬」が掲載された文芸誌「新潮」3月号を店頭に並べたリブロリウボウブックセンター店(小熊基郎店長)は、普段の10倍仕入れたが、売り上げは好調という。

 作中には「琉球競馬」がモチーフとして登場する。ノンフィクション「消えた琉球競馬」の著者梅崎晴光さんは「純文学の面白さとは別に沖縄の歴史の面からも興味深い」と話した。