思春期。子育てにおける最も難しい局面。親御さんは大変でしょう。わが思春期を思い出すだけでもゾッとします。自分一人で大きくなったような顔をして「もう大人なんだから夜遊びさせろ!」と憤る。主人公の少年の気持ちがわかると言ったら、怒られそうなひどい思春期。

その手に触れるまで

 ナイーブな少年は、たまたま出会ったイスラムの救えを信じた。彼はきっと救われたかったんだ。イスラムの教えを信じることで、傷つくことからも、人間関係のしがらみからも、救われると思ったんじゃないかなぁ。家族も優しい先生も遠ざけ「大人のムスリムは女性には触らない」とかふざけたことをぬかしたりして。夢精ばっかしてるくせによ(想像です)。

 結局思春期は、勘違いと傷つき、傷つけられての連続。一見社会派でありながら、誰もが共感できる青春の物語。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇同劇場であすから