涙の跡

「恩返しするね」」4月に亡くなった父へ誓う 気迫込めた14球 三振奪い叫ぶ

2020年7月22日 06:10

[涙の跡]沖縄カトリック高校野球部 大田一輝

ミーティングで涙を流す沖縄カトリックの大田一輝=12日、沖縄セルラースタジアム那覇

 沖縄カトリックの大田一輝は、中学は裏方でほとんど投げたことがない。高校入学後の球速は100キロ超にとどまり、坂ダッシュでは脚をつった。決して上手な選手ではなかったが、12日の1回戦で昨年優勝の沖縄尚学から三振を取り、叫んだ。高校の県大会で、初めての奪三振だった。

 小学2年で野球を始めた。試合に出られなくても野球が好きな気持ちは変わらず、中学の部活動を引退後は育成会でプレー。「うちで野球をやらないか」と岸本幸彦監督に誘われて入学し、努力を重ねてきた。

 12日の試合で記録した126キロは、公式戦での自己ベスト。3番手で継投した直後に三塁打を浴び、さらに四球を与えたものの、空振り三振でアウトを取ってベンチに下がると、仲間が笑顔で迎えてくれた。「親にちゃんと野球をしている姿を見せられるのは最後。気迫を込めて投げた」

 大会前、今年4月に48歳で亡くなった父匡也さんの墓前で手を合わせ、誓った。「自分のピッチングをしてくる。恩返しするね」

 この日投げた14球に、父への思いを込めた。試合は0-14で敗れたが、「天国から『よく頑張った』と言ってくれると思う。高校野球をやって良かった」。試合後のミーティングで、いつまでも涙が止まらなかった。(我喜屋あかね)

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