社説

社説[コロナと学校]児童 教員支える体制を

2020年7月21日 07:25

 県内で相次いで、小学生2人の新型コロナウイルス感染が確認された。

 学校現場や保護者の間で緊張が高まっているが、感染予防徹底とともに、偏見や差別を生まないよう、冷静な対応が求められる。

 感染が確認されたのは読谷村在住で村立学校に通う小学生と、那覇市在住で沖縄本島の私立学校に通う小学生だ。それぞれの学校は20日、21日から臨時休校し、消毒などを行う。

 読谷村の石嶺傳實村長は20日、「二次感染、三次感染を予防するため」とし小学生が村在住だと発表。「感染者やその関係者、学校等に対する誹謗(ひぼう)・中傷は絶対に許されるものではない」と強く訴えた。

 日本赤十字社はウェブなどで、コロナ感染症は三つの顔「病気」「不安」「差別」を持つと説明する。病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別される恐怖が受診をためらわせ、結果的に病気の拡散を招くと警鐘を鳴らす。

 コロナ感染症は誰もが感染する可能性がある病気だ。感染した子に責任はない。感染者を特定してバッシングするようなことがあってはならない。

 子どもは大人の話をよく聞いている。偏見や差別の種を植え付けないよう発言に気を付けなければならない。

 多数の子どもたちが集団生活を送る学校は3密(密閉、密集、密接)になりやすい。

 誰もが「自分ごと」と捉えることが感染予防、差別防止につながる。

■    ■

 各学校は、ソーシャルディスタンス(人と人の距離)の確保、マスク着用、アルコール消毒など、コロナに対応した「新しい生活様式」を懸命に実践している。

 新たなルールを守らなければならない緊張感や、クラスメートと自由におしゃべりしたり遊んだりできないストレスに日々さらされる子どもたちの心のケアが欠かせない。

 コロナ対策では教員も疲弊している。教員の多忙ぶりはかねて問題になっているがコロナ禍、さらに深刻さを増している。児童生徒の健康観察や注意喚起、教室の消毒など新たな業務が上乗せされている。マンパワー不足は顕著で、教員からは「一番必要なのは人手」の声が上がる。

 「ウィズコロナ」の学校生活には児童生徒、教員を支える体制の構築が必要だ。

 都内の学校ではPTAやボランティアが放課後、机を拭くなど学校の負担を軽減する取り組みが始まっている。

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 県教育庁は、児童生徒や職員にコロナ感染が確認された場合、原則5日間程度、臨時休校とする方針を各市町村の教育委員会に通知している。

 休校の影響は大きく、本紙などが行った小中高生らへのアンケートでは学習の遅れに不安の声が多く寄せられた。

 子どもの学習権を保障する方法の一つとして有効なのがオンラインの活用だ。県内市町村は国の「GIGAスクール構想」に基づく補助金などを利用し、小中学生一人一人にタブレットやパソコン端末を配布する予定だ。学習機会を平等に確保するため、迅速、確実に進めてほしい。

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