21日は「土用の丑(うし)の日」。那覇市のウナギ料理の老舗「彦」では19日から注文数が“うなぎ上り”に増え、店は大忙し。朝5時から仕込みが始まり、調理場はかば焼きの香ばしい匂いが漂った。

白焼きにしたウナギにタレを付けて焼く与儀実克料理長=20日、那覇市おもろまち・彦本店(下地広也撮影)

 料理長の与儀実克さん(54)は、21日以降に連休が続くことから「客足はさらに伸びそう」と期待を寄せる。「新型コロナウイルス感染拡大など、不安なニュースが続くが、ウナギを食べて元気になってほしい。テークアウトの弁当もあるので、家でも味わえます」と話す。

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 1970年前後の沖縄で、本土復帰後の有望事業としてウナギの養殖が脚光を浴びた。「養鰻(ようまん)は沖縄の気候に適している」「本土出荷の見通しも明るい」。新聞紙面で報じられ、オリオンビールや北部製糖など大手企業も参入し、ブームを後押しした。70年12月25日付の本紙では、養鰻事業を「復帰対策の主幹産業」と位置付けた宜野湾市が、市長室でウナギの稚魚を飼育する様子が取り上げられた。

 オリオンビール社史によると、77年度の生産量は全国で7位。この頃には県内で61業者が養鰻を手掛け、組合も組織された。

 しかし、現在残るのは宮古島に1業者と本島北部に2業者のみ。近年は稚魚の不漁を主な理由に、全国的に厳しい状況が続く中、県内の養鰻業者は試行錯誤しながら県産ウナギの生産を続けている。(北部報道部・西倉悟朗)=24面に関連

(写図説明)白焼きにしたウナギにタレを付けて焼く与儀実克料理長=20日、那覇市おもろまち・彦本店(下地広也撮影)