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「奇跡の1マイル」はシャッター通りに 国際通り、観光地化が地元回帰の壁 専門家「復活は全県民の宿題」

2020年7月22日 08:23

 新型コロナウイルスの影響で、約80店が閉店・臨時休業に追い込まれている那覇市の国際通り。シャッターが閉まったままの店には「テナント貸し出し」の張り紙も目立つ。目覚ましい戦後復興ぶりから「奇跡の1マイル」と呼ばれた街。コロナ禍の前のにぎわいを取り戻そうと、26日からは毎週日曜日の歩行者天国(トランジットモール)が約3カ月ぶりに再開する。(社会部・堀川幸太郎)

国際通りはシャッターが閉まったままの店舗が目立った=21日、那覇市

トランジットモールで思い切り遊ぶ子どもたち=3月31日、那覇市・国際通り

国際通りはシャッターが閉まったままの店舗が目立った=21日、那覇市 トランジットモールで思い切り遊ぶ子どもたち=3月31日、那覇市・国際通り

 看板が外された店。通りには資材を運び出すトラックが止まり、作業員が空き店舗の内装を確かめる姿も。時々、仕事も兼ねて通りを歩くという、りゅうぎん総合研究所の武田智夫さん(54)は「観光客が、締めくくりにお土産を買い求める沖縄観光の顔。だからこそ、観光客減少の打撃が目立って見える」と話す。

 外国人客が激減し、国の観光支援「Go to トラベル」では東京からの客が見込めない。コロナの影響で例年並みの観光客数が望めない中で「今後、営業を継続できるかどうか、臨時休業中に様子を見ている店もあるはず」と影響拡大を懸念する。国は休業補償などの施策を打ち出すだけでなく、実際の支払時期を早める必要があると訴える。

 1950年ごろ、目覚ましい戦後復興のシンボルとして「奇跡の1マイル」と呼ばれ始めたという国際通り。立ち並ぶ店は、地元の人が憧れるデパートや服飾品店などから、観光客向けの土産品店が中心となり、本土資本の参入も進んだ。そんな構造変化が今回の背景にあった-とみるのは、『沖縄・国際通り物語-「奇跡」と呼ばれた1マイル-』の著者、大濱聡さん(71)だ。

 大濱さんは「こんな状態だから今から急に地元客向けに回帰できるかというと、現実的ではない。解決策は、店や通り会任せにせず、行政も県民も皆で考える宿題だと思う」と話す。トランジットモール再開について「みんなでにぎわいを取り戻そう、という気概を共有する場になるのではないか」と期待を寄せた。

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