沖縄タイムス+プラス ニュース

「今日セーフでも、あす感染するかも」基地従業員の悲痛な声

2020年7月26日 10:15

 米軍基地内のクラスター(感染者集団)発生を受け、ようやく実現した基地従業員のPCR検査。検査会場では足を運んだ従業員が順番を待ち、知り合いを見つけ手を振ったりする姿があった。一見すると一般の健康診断会場だが、心の内は重い。「今日の検査でセーフでも明日感染するかも」「感染が分かったら仕事に行けない間、誰が補償してくれるのか」-。募る不安は拭えない。

検体を提出するために長蛇の列ができた=25日、沖縄市・中部合同庁舎

 米軍キャンプ・ハンセンで働く男性は、専門学校に通う子どもに「お父さんの職場、大丈夫なの?」と心配された。男性は「大丈夫としか言えなかった。検査はうれしいけど、一回きりで終わってほしくない」と話す。

 同基地の30代男性は、仕事の合間を見て検査場に来たといい「移動に時間がかかる。定期的に基地内でやってほしい」。米兵に毎日接するというサービス部門の男性も「不安。明日には感染しているかもしれないから、月1回くらいのペースで検査を」と訴える。

 基地従業員の感染が分かった場合、給与の補償も課題になる。普天間飛行場で働く男性は「自分は月給制。もしもの時の休業補償があると信じているけど、説明があったわけではない」と言葉を濁す。10代の頃から基地従業員を続けて約40年という男性は「きっと補償してくれると思うよ」と言い聞かせる。

 検査会場には、職場が閉まって2週間になるという基地内勤務の女性もいた。「県民の皆さんに万一迷惑が掛かるといけないから」。通っている病院に「基地従業員お断り」のポスターが貼られ、スーパーでは店員が自分からなるべく離れようとするのを感じ、検査を決めたという。

 女性は10年前に民間企業を約30社受け、「やる気があるなら」と唯一雇ってくれたのが基地だったと打ち明ける。「転職したくても、基地にいたと分かったら受け入れてもらえないと思う。給付金の10万円は車検代で消えた。検査はやってもらえたけど、これからどうしよう」と涙目になった。

連載・コラム