「未曽有の危機にある沖縄の顔。皆で活気づけたい」。那覇市久茂地の老舗お土産品店・守礼堂の会長、浦崎政克さん(90)は、店の目の前の国際通りに愛着を込める。元警察官で、1972年には「歩いて楽しい国際通り」の原点、初の歩行者天国の運営に携わった。思いが息づく歩行者天国(現トランジットモール)はコロナ禍による約3カ月の中断から26日に再開する。

浦崎政克さん

那覇市の国際通りで、初の歩行者天国。約10万人が通りを埋め尽くしたという。26日に再開するトランジットモールの原型=1972年9月23日

浦崎政克さん 那覇市の国際通りで、初の歩行者天国。約10万人が通りを埋め尽くしたという。26日に再開するトランジットモールの原型=1972年9月23日

 ちょうど国際通りが目覚ましい戦後復興ぶりで「奇跡の1マイル」と呼ばれ始めていた52年。浦崎さんは警察官になり、交通畑で長く働いた。ラジオの道路情報を担当していた72年、初の歩行者天国に関わった。車が増え、渋滞が社会問題となった当時、自らも路上で子ども向けの交通安全教室の先生役に。「車ではなく、人の憩う通りを地元も望んだ」という。

 通りが毎週日曜日のトランジットモールを本格導入したのは2007年。浦崎さんが警察官を辞めて30年近く後だ。歩いて楽しい街に-との願いは通り会「国際通り県庁駅前商店街振興組合」の理事長となってからも息づき、実現の力となった。今も思いは同じだ。

 思い入れ深いトランジットモールを中断させたコロナ禍は通り沿い470店のうち約80店を閉店・休業に追い込んでいる。郊外型店舗の林立による地元客離れや「9・11」後の観光客激減を知る浦崎さんでさえ「未曽有の危機」と呼ぶ。

 だが、先行きは暗いばかりではないと思っているという。電線地中化、歩道の拡幅、道沿いの小さな公園・ポケットパークの設置…。通り会の一員として行政と膝詰めで話し合ってまちづくりを進めた経験があるからだ。

 今も続く夏の風物詩「1万人のエイサー踊り隊」は若手のアイデアで95年に始まり、観客約15万人を集めた。「誰もが知恵を出し合えば乗り切れる。そんな雰囲気を育む場になれば」とトランジットモール再開に期待する。(社会部・堀川幸太郎)

感染対策講じ マグロ解体も

 トランジットモールは26日午後1~5時。最初は県庁駅前商店街の約70メートル区間。9月から国際通り全体に広げる考え。多国籍料理やスイーツのテークアウトなど。午後4時過ぎからはマグロ解体ショーも。マスク着用推奨や検温、手指消毒などの感染防止対策10項目以上を講じる。店内飲食による3密を回避する試みでもあるという。雨天中止。問い合わせは事務局、電話098(863)2755。