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「感染したの?」非公表なのにスマホに連絡殺到 コロナ陽性の女性が感じた気持ち悪さ

2020年7月27日 07:30

[新型コロナ 備える今]

女性が、ホテル入所を勧められた際に示された資料の一部(女性提供)

 「ただ仕事をしていただけで感染した。なのに悪いことをした気分になるのは、なぜ」。4月に新型コロナウイルスに感染した沖縄本島在住の女性が26日までに本紙取材に応じ、不安や偏見に苦しんだ経験を語った。県内で再び感染が広がる中、誰もが当事者になり得る。女性は訴える。「県が発表する患者番号のその先に、生身の人間の暮らしがあることへの想像力を持ってほしい」と-。

 閉め切った個室で約1時間、会議をした知人の感染が先に分かったのは4月上旬。同じころ、女性は柔軟剤の香りがしない異変を感じていたが「風邪かなと思うぐらいで、新型コロナと結び付かなかった」。常にマスクを着け、毎朝の検温もほぼ平熱の36・3~4度。せきも出なかった。

 不安が高まったのは、感染した知人と濃厚接触の恐れを保健所に告げられてから。当時は濃厚接触でも、37・5度以上の発熱などの症状がなければPCR検査の対象外。検査を求めても、保健所は及び腰で「自宅待機で」「外出は控えて」と大まかな指示のみだった。同じ家に住む子どもの学校や夫の職場に広げたら-。身銭を切り、家族に急きょホテルへ移ってもらった。

 つながりづらい保健所の電話を繰り返し鳴らし、何度も求めて検査に至ったのは、知人の感染発覚から2日後。陽性だった。

 「まさか自分が」。入院期間も費用も分からず、保健所の指示で指定病院へ自家用車で向かった。「誰かにウイルスをうつすかも」と後ろめたかったが、ATMで現金を引き出した。病院で迎えた防護服姿の医療従事者からは「着ている洋服は全て焼却処分」と説明された。家族も濃厚接触者のため、病院への差し入れも許されないという。「どうなっちゃうの」。目の前が真っ暗になった。(社会部・篠原知恵)

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