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江藤光喜が現役引退 具志堅会長が育てた初の男子世界王者 「諦めなければ夢はかなう」

2020年7月28日 07:21

 沖縄県本部町出身のプロボクサーで、元世界ボクシング協会(WBA)フライ級暫定王者の江藤光喜(32)は、28日付で現役引退すると発表した。所属する白井・具志堅スポーツジムが明らかにした。昨夏、米国で行われた世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王座への挑戦者決定戦に敗れて以降、「練習はしていたが、再起する気持ちまでは残っていなかった」と述べ、12年間のボクサーロードに別れを告げた。生涯戦績は31戦24勝(19KO)5敗1分け1無効試合。

現役引退を決めた江藤光喜。獲得したWBA世界暫定と東洋太平洋のベルトを誇らしげに掲げた=白井・具志堅スポーツ(小笠原大介東京通信員撮影)

 江藤は北部農林高時代にボクシングを始め、2008年8月にプロデビュー。173センチという軽量級では並外れた身長と、長いリーチから繰り出す多彩なパンチを武器に頭角を現した。双子の弟の大喜、末弟の伸悟もプロボクサーで一時は“江藤3兄弟”としても話題を呼んだ。

 キャリア31戦のうち、「最も心に残る試合」と挙げたのが13年8月、タイのバンコクで行われたWBA世界フライ級暫定タイトルマッチ。暫定王者のコンパヤック・ポープラムックに挑戦し、3-0の判定でベルトを奪った。1963年、ファイティング原田がバンコクでの防衛に失敗して以降、日本男子選手のタイでの世界戦初勝利という快挙を達成。同時に、具志堅用高会長が育てた初の男子世界王者となった。

 「自分が攻めている場面で3分たっていないのにゴングが鳴るなど、日本では考えられない不利な状況だった。闘志だけで戦い、諦めなければ夢はかなうんだと思った」と振り返る。

 だが日本ボクシングコミッションは当時、暫定王座が乱立していたため、国内では王者と認定しなかった。

 4カ月後の初防衛戦に敗れたが、2014年6月には東洋太平洋(OPBF)フライ級王者に。15年11月、満を持して世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級王者のカルロス・クアドラスに挑戦し、0-3の判定で敗れた。

 再起後は7連勝しながら、なかなかチャンスは回ってこなかった。それでもくじけず、現役にこだわり続けた理由は、ジムの後輩だった比嘉大吾の存在だ。

 比嘉が一気に世界へ駆け上がる姿を間近で見て「うれしさ6割、悔しさ4割の気持ち。俺ももう一度世界のベルトを巻かなければと尻をたたかれた」と語る。昨夏、米国での世界王座挑戦者決定戦に敗れ、引退を決断した。

 江藤は育ててくれた具志堅会長やジム、支えてくれた人たちやファンに感謝。「ボクシングと出合えたからいろいろな人たちと関わりができ、人生の道が開けた」と述べ、第二の人生でも戦い続ける決意を示した。

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