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来島自粛の要請を 「犯人捜し」やめて 日本島嶼学会が要請

2020年8月1日 16:36

島を研究対象として活動する日本島嶼学会(可知直毅会長)は1日までに、離島を有する市区町村長に対し、島の医療体制が整うまで来島自粛要請を発出するよう求める声明を発表した。また、島内で感染者が出たとしても、決して「犯人捜し」をしないよう強調した。

(資料写真)

 同会は全国の離島でも新型コロナウイルスが感染拡大していることを受けて、7月27日付で公式ホームページでメッセージを発表した。

 島へのウイルスの侵入を防ぐために、行政や港湾管理者などに対しできる限りの水際対策を講じるよう提言。来島者には検査に協力するよう求めている。

メッセージの全文は次の通り。

「島」にかかわるみなさんへ

 7月22日からGo Toトラベルキャンペーンが始まり、島に新たな活気がもたらされるかと思った矢先、新潟県佐渡島・鹿児島県与論島・長崎県五島列島・香川県小豆島でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染者が見つかりました。感染された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りいたします。

 感染が地方、さらには島嶼地域においても広がっています。日本島嶼学会は、現今の感染の広がりを、この春の感染拡大を上回る「島の危機」ととらえています。事態はきわめて深刻です。このまま感染が拡大すると、経済のみならず、医療をはじめとする島の全機能が麻痺し、島の地域社会が崩壊します。

 来島を予定されているみなさんには、事前の検温と体調管理をお願いします。体調が優れない時には、来島を思いとどまることも必要です。来島時には各島の行政・地域団体の要請にご協力ください。また、「ふるさと納税」やネットでの特産物購入、島でお世話になった方々への手紙などは、島のみなさんを大いに力づけます。

 「島の危機」の回避のため、島のみなさんに以下の提案とお願いがあります。

 島内へのウイルス侵入を防ぐためには、一にも二にも感染者を島に入れない方策を確立する必要があります。行政および港湾・空港管理者,航路事業者には、来島者の検温・PCR検査・抗原検査など、できうる限りの水際対策の導入を、島の実情に合わせて、早急にご検討ください。来島者のみなさんには検査へのご協力をお願い申し上げます。

 離島を有する市区町村長には、島での感染拡大が現実のものとなった場合、島内の医療・保健体制などが整うまで、短期間の緊急避難的な来島自粛要請の発出を検討されるよう、強く希望します。島民の感染防止はもとより,来島者がいま島で発症すれば、健康的で明るい島のイメージを、将来にわたり大きく損ないます。

 住民のみなさん、島内で感染者が出ても、決して「犯人捜し」をしないでください。根拠のないデマや噂は不安をかき立て、被害者でもある感染者を傷つけます。いたわりと共感の心で感染者の回復を見守ってください。
 感染防止には基本的な感染症対策の徹底に努めることが何より重要です。疑いのある症状が一定期間以上続く場合には、帰国者・接触者相談センターにご連絡ください。
 島は多様であり、それぞれの事情があります。一般論だけでは「島の危機」は乗り越えられません。それぞれの島が、実情に合った対策を立てる必要があります。日本島嶼学会は、「島」を研究する専門家集団として、島のみなさんと立場をともにし、島の危機を乗り越えるために取り組んでまいります。ご相談等は、下記問合せ先にて承ります。どうか、withコロナの事態に対して最大限の注意を払いながらお過ごしください。
2020年7月27日
日本島嶼学会 会長 可知 直毅

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