社説

社説[各地で感染急拡大]国会召集し対策を示せ

2020年8月2日 09:13

 新型コロナウイルス感染者の急増を受け、県独自の「緊急事態宣言」が発令された。

 県の病床利用率は100%を超え、差し迫った状況にある。「感染爆発」が懸念される中、やむを得ない判断だ。

 1日も新たに58人の感染者が確認され、累計は453人となった。警戒レベルは上から2番目の「感染流行期」に引き上げられている。

 感染急拡大に、どう対応していくのか。

 県が打ち出したのは15日まで▽本島全域における不要不急の外出自粛▽那覇市内の飲食店に対し営業時間の短縮▽松山地区の接待を伴う飲食店などへの休業の要請である。

 休業要請に応じた店には20万円、短縮営業に応じた店には10万円の協力金をそれぞれ支給する。不十分な額とはいえ、財政への負担が大きい協力金の支払いに踏み切ったのは、ここで食い止めなければという危機感からである。

 他方、県をまたぐ移動については、県民に対し往来自粛を求めつつ、県外からの来訪は「慎重に判断」という分かりにくい対応になった。

 観光依存度が高い経済だけに厳しい措置では事業者が持たないとのぎりぎりの判断なのだろう。クラスターを抑え込む集中的な対応で感染対策を取りながら経済を回したいとの思いがにじむ。

 相反する二兎(にと)をどのように追っていくのか。県の対応にはおのずと限界がある。自治体の財政力格差が感染防止策格差を招くようなことがあってはならない。政府は今こそ財源を含め、より踏み込んだ対策を示すべきだ。

■    ■

 「アベノマスク」や「GoToキャンペーン」に象徴されるように、政府のコロナ対策は、ちぐはぐで一貫性がなく、投入した予算に見合った効果を上げていない。

 官邸主導の政策決定がコロナ対策では機能しなくなり、官邸と与党、政府と都道府県、国民の間にずれやきしみが目立つようになってきた。

 沖縄県以外でも、飲食店の休業や営業短縮を求める動きが相次いでいるが、私権を制限する以上、補償が不可欠である。独自の判断で感染防止策を進める自治体にとって大きな悩みが協力金の財源確保だ。

 新型コロナ特措法には、私権制限への補償規定がない。国と都道府県の権限・役割の分担もあいまいである。

 政府・与党は、憲法に基づいて野党が要求している臨時国会を早急に開き、特措法改正など当面の課題を話し合うべきだ。

■    ■

 このような重大な時期に、国会の会期延長に応じず、閉会中審査にも出席せず、記者会見もやらない。説明責任を果たすことなく逃げ続ける安倍晋三首相の姿勢はあまりにも異様である。

 少しずつ増えているとはいえPCR検査もまだ不十分だ。

 検査と隔離を徹底することによって、経済を回しながら感染拡大を防ぐことが可能になる。なぜそれが十分でないのか。

 安倍首相が国会で説明責任を尽くすことが、切実に求められている。

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