沖縄地方最低賃金審議会(会長・宮國英男弁護士)は7日、2020年の県内の最低賃金を現行の時給790円から2円(0・2%)増の792円とし、沖縄労働局の福味恵局長へ答申した。2円の引き上げはリーマンショック後の09年と同水準の小幅増となった。16年から4年連続で20円以上の増額が続き、昨年は28円増と過去最大の上げ幅だった一方で、今回は新型コロナウイルスの県経済への深刻な影響が反映される結果となった。

最低賃金の推移

 改定額は10月3日から適用される見通し。

 中央最低賃金審議会(中賃)は7月22日に地域別最低賃金の引き上げ目安額について「現行水準維持が適当」と答申。04年以来、16年ぶりに目安額を示さず、事実上の据え置きとなった。例年、中賃は地域別の経済状況などに応じて決められたA~Dのランク別に目安額を示し、地方審議会はそれを基準に最低賃金を審議する。沖縄は最下位のD(16県)に含まれる。今年は目安額がない中での異例のスタートとなった。

 沖縄地方最低賃金審議会が設置し、引き上げ額の検討や具体的な議論を行う沖縄最低賃金専門部会は6回開催された。

 専門部会で労働者側は当初15円、使用者側は0円の凍結を提示。調整を経て、労働者側4円、使用者側1円、最終的には労働者側3円、使用者側2円を提示した。専門部会内で全会一致で決議された場合には、その決議が最低賃金審議会の決議になるが、労使の折り合いがつかず、弁護士などの公益委員を含めた多数決で2円に決まった。

 労働者側は「最低でも3円の引き上げは譲れなかった。コロナ禍で厳しい状況は考慮しつつも、時給792円では生活ができない。納得はしていない」と強調した。使用者側は「2円の引き上げでも、経営が厳しければ解雇につながる可能性がある。雇用調整助成金などを活用して、なるべく雇用を維持してほしい」と県内企業に呼び掛けた。