沖縄タイムス+プラス ニュース

専門家と住民 共にコロナ時代の観光を考える 首里まちづくりシンポジウム

2020年8月9日 09:48

 火災からの再建が進む首里城とともに、持続可能な首里のまちづくりを考えようと「第1回観光と首里まちづくりシンポジウム」(主催・首里まちづくり研究会、共催・沖縄タイムス社)が8日、タイムスビルで開かれ、インターネットで配信した。観光、歴史の専門家、住民ら6人が登壇。住民視点での交通問題やまちの景観、新型コロナウイルス時代の観光について討論した。

首里城再建やまちづくりで意見を交わすパネリスト=8日、那覇市久茂地・タイムスビル

 県立芸術大学名誉教授で首里住民の安里進さんは「現代は大観光時代だと後世に評価されるだろう。歴史的に、感染症には(地域の)閉鎖で対応してきた。今後内向きの時代がくるかもしれないと考えて観光に向き合わなくてはならない」と問題提起した。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「大きく変化するための節目かもしれない」と応じ、「健康を守り、経済を動かすための沖縄ならではの取り組みが問われている。問題は複雑だが、感染症との闘いからどう新しい歴史をつくるかを考えなくてはならない」と話した。

 城西小学校PTAの仲地宗幸副会長は、城下町ならではの狭い道を通学する子どもたちの安全と、歴史的な景観の両立について迷いを吐露。首里まちづくり研究会の伊良波朝義理事長は「住民が首里の歴史や文化に対する意識を高めることも重要」とした上で「首里城公園開園時の予測を超える数の観光客が来て渋滞が起きている。首里城の一極集中を考えなくてはならない」と問題提起した。

 下地会長は「観光客の増加だけに原因をみるのではなく、県民の車社会をどうするかも考えるべきだ」と注文。安里名誉教授は「住民が不利益を甘受しながらも、今後3世代かけてこんな首里のまちにしたいという大きな視点が必要だ」と話した。

 同研究会は今後もワークショップを開いて住民の意見を集約し、県に提言する方針。

前の記事へ 次の記事へ
連載・コラム
きょうのお天気