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80年代の消火訓練場が汚染源か 嘉手納の高濃度PFOS 米文書「防止装置なし」

2020年8月11日 08:26

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】嘉手納基地内外を流れる大工廻(だくじゃく)川と周辺の井戸で有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)による高濃度の汚染が確認されている問題で、汚染源が同基地内で1970~80年代に使用されていた消火訓練場である可能性が高いことが、10日までに分かった。沖縄タイムスが入手した米下院軍事委員会の報告書(85年作成)には、消火訓練場全般に汚染防止装置はなかったと記されている。泡消火剤は地中に染み込み、排水溝に流れ出していた恐れがある。(関連記事

嘉手納基地北側 地表と地下の水の流れ

 国土交通省が77年に撮影した航空写真によると、訓練場は大工廻川の西、数十メートルに位置していた。

 米空軍は70~80年代にかけて、PFOSが含まれた泡消火剤による訓練を恒常的に実施していた。

 米国の環境専門家が米国の複数の消火訓練場跡を調査したところ、地下の深刻なPFOS汚染は深さ数十メートル、幅数キロの広い範囲に広がっていた。  

 現在、嘉手納基地の消火訓練場跡地には、航空機整備施設が建っている。本紙が米情報公開法によって入手した米空軍の豪雨時の水の流れを示した地図によると、周辺は訓練場跡から大工廻川と三つの井戸に向かって地表と地下の水が流れ込む地形になっている。

 環境省が6月11日に公表したPFOS汚染調査では、大工廻川は1リットル当たり1462ナノグラムが検出され、国の指針値の50ナノグラムをはるかに超え、全国で一番高い値だった。県企業局による調査では、近接する井戸でも深刻な汚染が分かっている。

 在日米軍はPFOS汚染の原因を示す証拠がないとして責任を否定する一方、県による嘉手納基地内への立ち入り調査を拒否している。大工廻川が合流する比謝川と井戸水は、45万人の住民の飲料水の水源となっている。

 本紙は米空軍と在日米軍に対し、消火訓練場跡の浄化作業や汚染調査の実績、大工廻川PFOS汚染の責任について質問したが、10日までに回答はなかった。

[ことば]PFOSとは

 4千種以上あるとされる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の一種。PFOA(ピーホア)とともに、泡消火剤や油圧作動油などに使われていたが、発がん性などが指摘され、国内で製造・使用が禁止された。ピーホスの代替物質として使われるPFHxS(ピーエフへクスエス)も肝機能などへの影響が指摘されている。

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