沖縄県の石垣市と与那国町で2021年度から4年間使われる中学校教科書を選ぶ教科用図書八重山採択地区協議会(会長・石垣安志石垣市教育長)は11日までに、育鵬社の「公民」教科書を選定した。11、15、19年に続き4度目の選定。これに伴い同日、2市町の教育委員会は臨時会を開き、同協議会の答申に沿って10教科16教科書を採択した。育鵬社の教科書は国防や憲法改正などで保守的記述が多く、賛否が分かれている。

石垣市の中学校で次年度から使う10教科16教科書を採択した市教育委員会臨時会=11日、石垣市教育委員会

 同協議会は今月6日、メディアなどに公表せず市内で開かれた。出席委員7人の氏名も非公表の上、厳しい守秘義務を課している。

 協議会は事前に現場教員を教科書の研究を担う「調査員」に委嘱。それぞれの委員にも選定の判断の参考にしてもらうため同様に教科書を配布している。

 選定作業では、県の資料や調査員からの「報告書」を基に選んだ。協議会事務局によると「公民」だけが全会一致とならず。育鵬社4人、東京書籍2人、帝国書院1人と判断が分かれた。再協議の結果6対1で育鵬社に決まったという。

 事務局は育鵬社の教科書について「調査員から特筆する報告がなかった」「会議で内容を吟味した結果選ばれた」とした。

 市教委の採択では、委員の一人が「育鵬社は保守的な記述が強く反発の声が大きい」と説明を求めたが、採決で異論はなかった。

 一方、採択後に調査員の報告書を選定に反映することを求める請願も審議され、不採択となった。提出者の市民は「残念極まりない」と憤った。