社説

社説[警戒レベル最上位]この難局 乗り越えねば

2020年8月14日 05:00

 新型コロナウイルス感染症を巡り、玉城デニー知事は、県独自の警戒レベルを最上位の「感染まん延期」に引き上げた。これに伴って発令中の緊急事態宣言も29日まで延長する。

 学校や病院、高齢者施設、飲食店など多分野でクラスター(感染者集団)が発生する中、逼迫(ひっぱく)する医療体制を維持するためには、やむを得ない対策だろう。

 玉城知事は「感染の封じ込めができない段階に来ている」と語り、県民の具体的な行動と危機感の共有を呼び掛けた。

 警戒レベルの引き上げで、「買い物は原則1人で行く」「夜10時以降の外出を控える」などの不要不急の外出自粛や事業者にはテレワークの積極的導入などを求める。

 8月1日以降、1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は40・91人と急増し、全国で最も多くなっている。

 3~4月の流行期の第1波以降、警戒感の緩みはなかったか。「3密」を避ける対策は守られているか。いま一度、県民一人一人が感染防止対策を見直すことが必要だろう。

 「誰もが感染しうる病気」(知事)を意識しながら、予防策をしっかり行うことを肝に銘じたい。

 県民に自粛を求めた一方で、県外からの来県自粛は求めず、休業要請の拡大はしなかった。

 経済活動を止めずに防止策を進めることは理解できるが、県民にだけ移動自粛を求めるのは、ちぐはぐな印象を受ける。

■    ■

 ここにきて目立ち始めたのは、高齢者の感染である。

 特に高齢者施設などで感染者が増えている。県によると、介護関連の17施設で利用者や職員38人の感染が明らかになっている。心配なのは高齢者の重症化リスクが高いことだ。

 県はクラスター対策で県庁にチームを設置し、病院や社会福祉施設などで未然防止に取り組む。国との連携を密にした上で、先手先手で適切な対策を打ってほしい。

 施設の人員は十分に足りているか、対策が適切に行われているかどうかなどチェック体制の整備も必要ではないか。

 医療従事者の感染も懸念される。那覇市内の救急病院のうち、2病院で救急外来を休止している。救急医療体制を支えるには、医療現場の取り組みをはじめ、県民がかかりつけ医を受診するなどの心掛けも大事だ。

■    ■

 緊急事態宣言が延長されたことで、県民の暮らしや経済活動に制限がかかる。

 さまざまな自粛に伴う子どもたちの精神的ストレスや、親も仕事に支障が出るなどの影響、不安、経済的な打撃も伴う。

 休業に伴う経営への支援策には国の後押しが欠かせない。

 県には緊急事態宣言で何がどう変わるか、出口戦略をどう描くのか、現状分析と見通しの情報を繰り返し発信し、県民の不安を取り除いてほしい。

 なんとしてもこの難局を乗り切らなければならない。

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