沖縄タイムス+プラス ニュース

大人の優しさに触れたタコライス 空腹と非行の関係 元警察官の思いが企画に

2020年8月18日 08:30

[Link-U][コロナに負けない! タイムス応援企画]

「タコライスで子どもたちを笑顔にしたい」とプロジェクトの成功へ向け意気込みを示す山川宗徳さん(本人提供)

 子どもたちにタコライスを無料提供するプロジェクト「一皿のタコライスで救える未来がある」のクラウドファンディングが17日、スタートした。発案したのは有志グループ「タコライスラバーズ」を結成した山川宗徳さん(39)=那覇市。タコライス発祥の金武町で育ち、幼少時代に毎日のように食べていた。パーラーで、大人たちの優しさに触れ、おなかと心も満たされたと記憶を持つ。山川さんは「子どもの貧困に向き合い、沖縄のソウルフードで子どもたちを笑顔にしたい」と話す。

■少年時代の思い出

 キャンプ・ハンセンゲート前の米兵らでにぎわう歓楽街で育った。実家はベトナム戦当時の祖父の代から続くバーを経営。決して裕福な家庭ではなかった。共働きの両親は帰りが遅く、夕食は兄と2人だけ。夕飯が足りないと小銭を持って近くのパーラーへタコライスを買いに行った。

 家庭の事情を知るパーラー店主は「のーりー」と声を掛け、タコライス以外にもジュースやコーンドック(アメリカンドック)、チキンナゲットも持たせた。客の米兵も山川少年に焼き鳥をおごってくれたりした。少年時代の成長を支えてくれたのは地域の大人たちだった。

 その後、警察官となり、今年の春まで約16年間務めた。警官時代、金がなく空腹を満たすために菓子を万引する少年らに何度も接し、空腹と非行の密接な関係を痛感してきた。

■愛情のバトン次に

 昨年、タコライスを子どもたちに無償提供することを思い付いた。「あなただからできることだ」と周囲も賛同。“タコライスの伝道師”を名乗り、有志グループ「タコライスラバーズ」をつくって、プロジェクトを企画した。

 モデルとしたのは奈良県橿原(かしはら)市の飲食店「げんきカレー」の「みらいチケット」だ。企業や個人が飲食券を購入し、訪れた子どもたちが券を使って食事をする。オーナーの齋藤樹さんに連絡し「沖縄でみらいチケットを普及させたい」と伝えると、仕組みの活用を快諾してくれた。

 構想から1年、思いを共有する仲間は増え続けている。「地域の大人から食を通じて受け取った愛情のバトンをつなぎたい。タコライスを食べた子どもたちが、困っている人を助けられる大人になってほしい」と願いを込める。(城間陽介)

▼「一皿のタコライスで救える未来がある」のURL
https://a-port.asahi.com/okinawatimes/projects/taco-ricelovers/

前の記事へ 次の記事へ
連載・コラム
きょうのお天気
アクセスランキング
ニュース 解説・コラム
24時間 1週間