琉球大学は18日、血液のがんの一つである成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)の高精度で迅速な新たな診断法を開発したと発表した。従来は県外に送って3日かかっていた検査が県内で1日でできるようになる。日常診断にすぐ応用でき、早期発見、早期治療につながるという。

左の画像で茶色のドットを有する細胞がATLL細胞。右の画像は腫瘍細胞の浸潤境界部が明瞭に判別できる(いずれも琉球大学提供)

新たな診断法を発表する(右から)加留部謙之輔教授、大学院生の高鳥光徳さん、福島卓也教授=18日、西原町・琉球大学

左の画像で茶色のドットを有する細胞がATLL細胞。右の画像は腫瘍細胞の浸潤境界部が明瞭に判別できる(いずれも琉球大学提供) 新たな診断法を発表する(右から)加留部謙之輔教授、大学院生の高鳥光徳さん、福島卓也教授=18日、西原町・琉球大学

 ATLLは、「HTLV-1」というウイルスの感染が原因で、人の白血球の一種であるリンパ球が「がん化」して発症する病気。患者が九州・沖縄などの沿岸部に偏在しており、県内では年間約90症例が確認されるという。新たに開発したアルゴリズム診断法は、顕微鏡によるウイルスの染色法とPCR法で患者を検出できる。

 同大大学院医学研究科細胞病理学の加留部謙之輔教授と大学院生の高鳥光徳さん(27)、医学部保健学科の福島卓也教授が共同で開発し、1年間をかけて検証してきた。研究成果は17日、米国カナダ病理学会の公式学術誌に掲載された。

 加留部教授らによると、ATLLのウイルスは非常に量が少ないため、今まで診断レベルで使える方法がなかった。3年前にウイルスを増幅させる新しい技術を知り、大学院生らが研究を重ねてきた。

 患者のリンパ節や皮膚組織の検体からウイルスを増幅させて茶色く染めてから、顕微鏡でATLL細胞があるかどうかを検出する。腫瘍細胞の浸潤境界部も判別できるという。

 アルゴリズム診断法で発症患者の7割を検出できる。残りの3割は現在のPCR法で陽性と陰性を区別する高精度の値を設定して判別する。両方を組み合わせることで正確な診断が可能になるという。これまで約70症例の診断で用いられており、今後、保険適用を目指して厚生労働省に申請する予定だ。