新型コロナ沖縄の今

合格した早大に一歩も入れず「私は今、何をしているんだろう」 コロナで続くオンライン授業 湧かない学生の実感

2020年8月19日 08:30

■決めた休学「先見えず」 県外出身者 体調崩し地元へ

 東京の大学で遠隔授業が続き、県内の実家へ戻ることを決めた金城美奈さん=仮名。7月末にあったオンラインでの試験は、高校時代に通っていた塾の教室を使わせてもらった。8月2日、夏休みに入ったが、月末に再び上京する。いくつかのサークルで予定されている小規模の集まりに参加するためだ。

 目星を付けているのは海外からの留学生と交流するサークルと、所属する法学部系の試験対策を先輩が手助けしてくれるというサークル。父親は毎日、「本当に東京に戻って大丈夫なのか」と尋ねてくる。だが、心は固まっている。

 「今で少しでも友達をつくらないと。これからの大学生活が不安」

■東京で自習生活

 金城さんとは逆に、県内の大学に通う県外出身の学生がコロナ禍で地元に戻るケースもある。

 東京都出身で20代のリカさん=仮名=は関東の大学を卒業し、平和教育を研究して社会科の教員を目指そうと2018年に県内の大学院に入学。しかし、現在は東京に戻り、後期は休学を決めている。

 教員免許を取るには社会福祉施設や介護施設での研修が必要となる。リカさんは今年の8月に研修を予定したが、コロナで実習ができるのかも分からず不安が募った。自らの研究や大学院の講義はオンラインで対応したが、これまでの環境と異なり十分とは言えなかった。

 経済的な行き詰まりもあった。沖縄での生活費には塾や家庭教師のアルバイト代を充てていた。コロナ感染が広がってからは「感染するのも、させるのも怖い」とバイトに行けなくなった。大学卒業後に一度就職した際の貯金を切り崩し、生活はギリギリだった。

 環境の変化によるストレスで体調を崩し、7月15日、東京の実家に戻った。

 現在は病院に通って体調の回復を目指している。ようやく教員免許の試験に向けた自習に取り掛かるようになったが「来年4月には復学したいけど、いつ普通の生活に戻るんでしょうか。先が見えず、思い描いていた自分の将来に自信がなくなりそう」と語る。

■「学び止めない」

 沖縄大学は県内でコロナ感染が広がり始めた4月、県内の大学の中でも先んじてオンラインの遠隔授業に対応した。感染の第1波が収まってからは、遠隔と対面を織り交ぜながら前期のスケジュールを組んだ。

 小野啓子副学長は「学生も教員も大変だったが、『学びを止めない』という基本は貫けた」と異例の状況を振り返った。

 後期も安全を確保した上で少人数のゼミや実験、実習を中心に対面授業に取り組むとし、「コロナで対面の良さを実感した。大学は交流の場でもある」と強調した。(社会部・銘苅一哲)

●疑問・困りごと募集

 新型コロナウイルスの感染が広がり、くらしや経済、学校生活に影響が広がっています。読者の皆さんがいま困っていることを、ぜひお寄せください。沖縄タイムスは、県民の「疑問」や「困り事」などを共有する企画を始めています。

 受け付けは下記から特設サイトにアクセスするか、郵送で郵便番号900-8678、那覇市久茂地2の2の2「沖縄タイムス編集局社会部」まで。ファクスは098(860)3483。メールはshakai@okinawatimes.co.jp

 >>特設サイトはこちら


連載・コラム
きょうのお天気