沖縄でタトゥーの「彫り師」として働いてきた仁平りなさん(37)=沖縄市在住=は今年5月、大きな決断をした。マンゴー農家への転身だ。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大。客が大幅に減り、彫り師の仕事は大打撃を受けた。マンゴーの栽培経験はゼロの中での再スタート。農家初心者の仁平さんの奮闘ぶりを聞いた。(政経部・又吉朝香)

【写真】マンゴーを収穫する仁平りなさん=8月6日、うるま市のまるよしマンゴー農園

仁平さんは20歳から地元三重県で彫り師の仕事をしてきた。
10年前に沖縄に移住。那覇市のバーで働いていた頃、知り合いから沖縄市のタトゥーショップを紹介された。

タトゥーショップがあるのは沖縄市のゲート通り。
ここは米軍嘉手納基地から近く、週末には休日を楽しもうと多くの米兵でにぎわうスポットだ。米兵向けのバーやクラブも多く立ち並ぶ。

仁平さんが働く店も米兵向けの店だった。客の8割以上は米兵。予約が2~3カ月埋まっている状況が「3年は続いていた」。
仁平さんは「アーティスト」として1日に2人の客の施術を担当。米兵は和柄や沖縄らしい海のデザインを好んだ。給料にプラス、米兵からもらう月5万円ほどのチップもあり、生活は十分にやっていけた。


盛況ぶりを見せていた店に暗雲が立ち込めてきたたのは今年4月頃。
沖縄県内での新型コロナウイルスの感染拡大を懸念した米軍は4月から米兵たちに対し基地外への移動制限を発令。
客足は鈍くなり、例年の7割程度に減った。

【写真】今年4月24日の沖縄市のゲート通り。普段の週末は地元住民や外国人らでにぎわうが、飲食店やライブハウスのネオンが消え、ひっそりとしていた